今日は、コースに坂が含まれる場合の、ペースについて考えてみる。
上り坂、下り坂がランニングペースに与える影響についての文献は、かなりググってみたものの、なかなか見つからなかった。
なので、この記事は結構貴重だと自負している。
俺のいつも走っている「坂あり周回マーコース」は、
全長約1.1km
250mで12mほど上り、250mで12mほど下る坂がある。
坂が含まれるため、岩本式ビルドアップや、ダニエルズ式インターバル走を行うときの設定ペースに苦慮する。
そして、平坦なコースでどの程度で走れるのか分からず、レースの設定ペースを決められない。
本日は、坂道が含まれるコースでの設定ペースについて、1つの答えを出そうと思う。
■上り坂と下り坂と平坦な道でのペース
上り坂と言って思い出したのは、箱根駅伝の5区山登り。
下り坂と言ったら、俺の人生 箱根駅伝の6区山下り。
そこで、箱根駅伝のペースから、上り坂と下り坂の影響を見てみる。
5区と6区の距離は、両者とも20.8km。
距離がほぼ同じで、坂が比較的少ない区間は、4区。
上り坂代表 → 箱根5区
下り坂代表 → 箱根6区
平坦な道代表 → 箱根4区
とする。
マイコースの勾配は、こちら。
約250mで約12mの高低差。
勾配は4.8%。
箱根駅伝5区は、20.8kmで約860mの高低差。
勾配は4.1%。
参考にする坂として勾配が近く、ほぼ適していると言えるだろう。
箱根5区には、最後下り坂が含まれるが、とりあえず無視して計算する。
2017年の区間記録では、
※しっかり計算するならば、上位10人の平均や過去5年の上位3名の記録の平均など母数を増やした方が良い
・5区 20.8km 約860mの高低差
1:11:44
平均ペース:キロ3分27秒
・6区 20.8km 約860mの高低差
58:03
平均ペース:キロ2分47秒
・4区 20.9km
1:02:21
平均ペース:キロ2分59秒
あらためて見てみると、箱根を走るエリートランナーの凄まじさが分かる。
勾配5%の坂を、キロ3分半ペースで刻むのだ。
この平均ペース、平坦な道代表の4区を「1」とすると
平坦な道代表4区 : 1.0
上り坂代表5区 : 1.156
下り坂代表6区 : 0.936
となる。
意味するところは、箱根5区の上り坂であれば、平坦な道の1.156倍のペースになるということだ。
箱根6区の下り坂であれば、平坦な道の0.936倍のペースで走れるということだ。
例えば、キロ5分ペースの走りで、この坂を上ると、
キロ5分47秒ペース (+47秒)
この坂を下ると
キロ4分41秒ペース (-19秒)
上り坂でのタイムの落ち込みを同程度の下り坂で取り戻すのは、難しいことが分かる。
■坂あり周回マイコースに適用する
箱根のエリートランナーの坂道でのペースを俺に適用する。
勾配 4.1%
上り坂ペース 1.156倍
下り坂ペース 0.936倍
このペース倍率は、エリートランナーだろうが、市民ランナーだろうが、おそらくそこそこ正しいと思われる。
この倍率を元に計算する。
勾配が軽ければ、倍率は1に近づくし、勾配がきつくなれば1から遠ざかるはずだ。
勾配が7%くらいまでの坂であれば、上記のペース倍率と勾配が線形の関係だと仮定。
ちなみに、この過程が間違っていたら、すべてが崩壊する。
まずは、坂あり周回マイコースの勾配4.8%でのペース倍率を算出。
勾配 4.8%
上り坂ペース 1.183倍
下り坂ペース 0.924倍
平坦な道のペースを 【平】
上り坂のペースを 【上】
下り坂のペースを 【下】
とすると、
コース全体の1㎞あたりのペースは、
【上り坂の距離】×【上】 +
【下り坂の距離】×【下】 +
【1kmから坂の距離を引いた距離】×【平】
俺の「坂あり周回マイコース」には、250mの上り坂と250mの下り坂が含まれるので、
0.25×【上】 +
0.25×【下】 +
0.5×【平】
となる。
ここに
上り坂ペース 1.183倍
下り坂ペース 0.924倍
を代入すると、
コース全体の1㎞あたりのペースは、
0.25×【平】×1.183 +
0.25×【平】×0.924 +
0.5×【平】
で求められることが分かる。
平坦でのペース キロ4分30秒
を代入すると、
0.25kmの上り下りの坂が含まれるコースでのペースは、
キロ4分37秒
となる。
平坦でのペース キロ5分0秒 の場合は
キロ5分8秒
となる。
なるほど。
式が多くて、良く分からなくなってきているが、俺の「坂あり周回マイコース」で、キロ4分半から5分で走れるなら、
そこから7秒から8秒程度引いたペースで平坦なコースを走れる。
ということだ。
今後、坂あり周回マイコースで、岩本式ビルドアップやインターバル走を行うときは、プラス7秒を考慮して練習しようと思う。
皆さんの走られるコースに坂があるのであれば、上記の勾配とペース倍率と坂の距離から、実際のペースを計算してみてください。
坂の長さが極端に短い場合は、スピードが乗るまでに坂が終了するため、計算結果とのズレが大きくなるかと思います。
久々に、ランナーにとって良いエントリーになった気がする。
皆さんの参考になれば幸いです。
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