ミトコンドリアと毛細血管。
ランニングを日常としている方であれば、一度は聞いたことがあるであろうこれらの単語。
ミトコンドリアは、酸素を取り込むことで、筋肉を動かすエネルギーを作る。高強度のトレーニングで速筋を鍛えることで、ミトコンドリアは増え、速いスピードでの持久力が向上すると言われている。
毛細血管は、こちらもやはりエネルギーを体内で作る際に必要な酸素を運ぶための道路にあたるもの。強度の弱いLSDなどのトレーニングで毛細血管を増やすことができると言われている。
俺は、ゆっくり走ることが、苦手だ。
と言うか、好きじゃない。
長い時間ゆっくり走るくらいなら、全力て走ってその後ゆっくりお風呂に入りたい。
なので、「ゆっくり走らない俺は、毛細血管が増えないのか」
「速く走ることは、毛細血管にどのような影響を与えているのか」
を調査したので、ここで報告したい。
■トレーニング時間と毛細血管の増加について
筋毛細血管の発達から見た持久的トレーニングの量的限界と最適トレーニング量
こちらの論文によると、ラットを4つのグループに分けて、それぞれ、
①ランダム群
②1日に60分の運動をさせた群
③1日に120分の運動をさせた群
④1日に120分以上、またに疲れ果てるまで運動させた群
を作り、あるトレーニング期間を経て、毛細血管の増え方を評価した。
すると、②、③、④は、①と比較して、優位に毛細血管が増加。
→運動すれば毛細血管は増加する。
②より③の方が、毛細血管がより増加。
ただし、③と④に優位な差は無し。
→毛細血管の増加は、運動継続時間による。
→毛細血管の増加は、運動強度によらない。
と言う結果が出た。
要約すると、
毛細血管の数の増加は、運動の強度にはよらず、運動の継続時間に依存する。運動の継続時間は、長すぎても、効果はサチる。
ということになる。
この結果から言えることは、
ゆっくりだろうが速かろうが、それなりの時間走るトレーニングをすれば毛細血管の数は増加する。
■トレーニング強度の毛細血管に与える影響について
トレーニングが筋組織の毛細血管数とその内腔形態に及ぼす影響
こちらもラットを使った実験。
この論文は、毛細血管の「数」だけではなく、「太さ」にも言及している。
・トレーニングの心筋に与える影響
1.継続的な低強度/高強度のトレーニングで、心筋に新しい毛細血管はできない。
2.高強度のトレーニングで心筋の肥大が起こる。
3.高強度トレーニングで心筋の毛細血管が太くなる。
低強度トレーニングでは心筋の毛細血管に優位な変化はない。
以上から、強い心臓を作るには、継続的な高強度のトレーニングが必要。
・トレーニングの骨格筋に与える影響
4.継続的な低強度/高強度のトレーニングで毛細血管の数が増加する。
強度の差による毛細血管の増加数に有意な差はない。
5.低強度のトレーニングでは、細い毛細血管の数が増えた。
高強度トレーニングでは、太い毛細血管の数が増えた。
6.トレーニング初期は、毛細血管の数が増える。
継続的にトレーニングして、毛細血管の数が増えなくなると、その後太さが大きくなる。
毛細血管の数は、運動の強度によらず、継続的なトレーニングにより増加する。
高強度のトレーニングならば、毛細血管が太くもなる。
さらに、心臓まで強くなる。
と、ここまでの調査結果では、ゆっくり走ろうが、速く走ろうが、毛細血管は増える。
速く走った方が、毛細血管は太くなる。
ということで、ゆっくり走った方が良いという根拠が見つからない結果になっている。
一つ目の論文では、
「分速30mのトレーニングを60分/120分」
ラットに対して行い、ラットで実験しているわけだが、このスピードと継続時間、
人間にとってどのくらいに相当するのだろうか。
これは、良く分からなかったっす。
あなたがラットであるならば、
「ゆっくり走らずとも、速く走る練習を継続すれば、毛細血管の数は増えるし、太くもなる。
おまけに心臓まで強くなる。」
ということが分かった。
関暁夫氏的に言うならば、
あなたが人間の場合、ラットでの実験結果がそのまま適応できるか…
信じるか信じないかはあなた次第、ということになる。
何にしても、俺はゆっくり走るのは好きじゃないから、これからも練習でも速く走る。
ラットのように、人間も速く走った方が毛細血管の数も太さも大きくなることを信じて。
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