「ねぇ、パパ。」
「ん?どうした?」
長女が話しかけてきた。
「今日、近所の地区センターにバドミントンしに行こうよ。」
「うーん。今、ちょっと忙しいから」
と、俺はスマホをイジりながら、空返事をした。
1年ほど前のことだ。
~~~~~
11月3日の祝日。
「今日、バドミントン行くか?」
「え?今日?」
俺から長女に話しかけた。
「今日は、璃子の誕生日ケーキ作りたいからなぁ」
「ていうか、パパ、1年くらい前は、桜子から誘っても、『忙しい』とかスマホ触りながら面倒くさそうに断っていたのに」
「え?そうだったの?」
「うん」
「そんなパパ、最悪だな」
子どもの発するシグナルを受信できていなかった、1年前。
その後、しばらく自責の念が込み上げてきて、身動きが取れなくなってしまった。
「もう大丈夫。パパ、バドミントン大好きだから」
「うん。じゃぁ、ホイップクリーム作ったら、バドミントン行きたいな」
「おう」
そして、この日、1時間半ほど、桜子と2人でバドミントンをした。
この日は、主に「ドロップ」の練習。
強く打つぞ!と見せかけて、ネットの前の方に落とす打ち方。
スマッシュや大きなクリアが来る!と思わせて、前に落とす。
これ、ものすごく効果的なんすよね。
TAGOKENチャンネルや、ぐっちゃんねるっていうバドミントンのYoutubeで勉強した戦術を桜子に伝えながら、1時間半、良い練習ができた。
今週末、部内の対抗戦を控えている桜子。
その対抗戦の結果で、11月の中旬の試合のダブルスのパートナーが決まるらしい。
「木曜日、部活がないから、また体育館でバドミントンやりたいな」
「よし行こう。ドロップをマスターしような」
~~~~~
その夜。
勉強をしていた桜子が、
「パパ、この問題解ける?」
と、数学の問題を見せてきた。
分からない問題を俺に見せると、
「怒られるから」
と、なかなか見せに来なかった桜子。
今日は、見せに来てくれた。
「今の俺は、これでいいな」
少しずつ、前へ。
にほんブログ村