2025年3月。
小学校6年生だった三女の璃子が、小学校を卒業すると時期を同じくして、
俺も4年間努めたPTA会長を卒業することになった。
個人主義の人が増えている今のご時世、
PTAや町内会などの「ボランティアなのに半強制な感じのする活動」に対する風当たりは強く。
一部の方からは、猛烈な嫌がらせを受けたりもしたが。
自分としては、多くの方と知り合うことができ、
新しい世界を知ることができ、
人間として成長できた実感が強く、
PTA会長を努めさせてもらえて、本当に良かったと思えている。
PTA会長は、いろいろな場面で人前でお話をさせていただく機会が多い。
即座に意見を求められたりもする。
なので、自分自身や、子育てや、地域のあり方など、自分としての意見を考える良い機会になった。
この4年間で、人前でお話させていただいたことは、数えきれないくらいなのだが、
そんな中でも、今年の娘の卒業式での祝辞は、
なかでもちゃんと考えたこともあり、
多くの方から反響があった。
「本当に良かったです!」
「未だに全力さんに会うと、あのときの祝辞を思い出すのよ。」
「私、ちょっと涙でました。」
などなど。
「PTA会長としての祝辞で、何をしゃべるか」
この問いに対して、悩む方の母数は非常に少ないとは思うけども、
辺境の地であるこのブログにたどり着いた方で、この問いを持っている方がいらっしゃるようならば、
こちらを参考にしていただければ幸いです。
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本日の卒業式にあたり、保護者を代表いたしまして、一言お祝いの言葉を申し上げます。
卒業生のみなさま、ご卒業おめでとうございます。
保護者のみなさま、本日はお子様のご卒業おめでとうございます。
そして、先生方、
子どもたちを優しく、時には厳しくご指導いただき、本当にありがとうございました。
また、本日ご列席の地域の皆さま、○○〇小の子ども達の成長のために、様々な活動をしていただき、誠にありがとうございます。
さて。
みなさんは、生まれて初めてもらったプレゼントが何か分かりますか?
・・・少し間を置く・・・
それは、
「名前」です。
みなさんが生まれてくることを心待ちにしていた人が、
生まれてきてくれた、みなさんに、色々な想いを込めて、プレゼントしました。
今まで、いろんな呼び方で、その名前が呼ばれてきたと思います。
心の中で、今まで、みなさんの名前を呼んでくれた、それらの声を思い出してみてください。
・・・少し間を置く・・・
みなさんの名前を呼んでくれるその声は、
今、みなさんの後ろ姿を、感動いっぱいで見守ってくれている誰かの声が聞こえてきませんでしたか?
または、今一緒に卒業式に列席している、仲の良い友達の声だったり、
先生の声だったり、
自分の身近にいる大切な人の声が聞こえてきたと思います。
みなさんは、どんなときも決して、ひとりではありません。
みなさんは、これから中学生になり、
これまで以上に楽しいこと、嬉しいことが、沢山あるでしょう。
辛いことや大いに悩むこともあるでしょう。
嬉しいときはもちろん、大きな壁にぶつかったとき、どうしようもないときは、
決して、ため込まずに、あなたの名前を呼んでくれているその人にお話してください。
嬉しい気持ちや楽しい気持ちは、倍になり、
辛さや苦しさは、きっと、半分になると思います。
みなさんの名前を呼んでくれる身近な仲間と一緒に、
みなさんのこれからが、明るく、強く、やさしい人生になることを願い、お祝いの言葉とさせていただきます。
今日まで、立派に成長して下さり、本当にありがとうございます。
また、これからの皆さまの大いなる成長を楽しみにしております。
本日は、ご卒業、本当におめでとうございます。
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さて。。。
俺は、
自分の名前を呼んでくれている方々に、
今の俺の楽しいことや悩んでいることを、
しっかり話できているのだろうか。
「自分の口から発する言葉には、きちっと責任を持つ。」
そんな当たり前なのに、なかなかうまくできなかったりすることを、
これから先も、自身の肝に銘じて、
今、自分が持っている能力や知識を、
何かしらの形で発信し、誰かの役に少しでも立てるように。
俺は、そんな不器用な生き方しかできないのだろうなと、
この歳になってやっと分かった気がするのだ。