自分、26歳の時に結婚して、結婚して数か月後くらいに生命保険に入ったんですよね。
友達が生命保険の営業をやっていて、その友達の勧めで。
月の支払いは、約3万円で、徐々に支払額が上がっていくようなパターンのもので。
終身保険の700万円と、
掛け捨ては、死亡したり高度障害になると結構な額が支払われるとの、ミックスのプラン。
いくつかの追加オプションみたいなのも勧められるがままに付けて。
その友達は、
自分と同じ会社の同期入社のやつで。
国立大学の最高峰、某T大の理系出身。
今でも定期的に飲んでいる腐れ縁の2人の同期とこの保険営業マンと自分の4人でかなり仲良くやっていて。
ゴルフ行ったり、海外旅行も何度か行ったりしていて。
自分の結婚式にも参列してもらったりもしたくらい。
そいつの口癖は、
「人生の勝ち組」
という言葉で。
「これが勝ち組の生活だ。」
「40代になったら、こんなバーで毎日飲めるくらいのナイスミドルにならないと。」
「この会社に入社したら勝ち組だと思っていたのに。」
「部長になっても年収〇〇万円じゃぁ、勝ち組にはなれない。」
「勝ち組は、海外旅行くらい、年に数回行かないとな。」
みたいな発言が多かった。
いわゆる「意識高い系」のやつで、
うちの会社を1年半くらい勤めてから、
外資系の保険会社に転職した。
その外資系保険会社は、フルコミッション制で、契約を取れた数、売上高で、年収が制限なしに上がっていくようで。
初年度から3000万円とかもらえることもあるという。
「これで、俺も勝ち組になるんだ。」的な発言とともに、うちの会社を去っていった。
で、そいつは、転職してすぐに、自分も含めて、うちの会社の同期や先輩にどんどん声をかけ、
1年目社員としては異例の売上高を記録したらしい。
そんな感じのこの保険営業マンは、「ファイナンシャルプランナー」という資格や、何やら聞いたことのない資格もかなり取ったうえで、
自分に保険の営業をしてきて、
自分もこいつに言われるがまま(少しは考えたつもりだったが)に生命保険の契約をした。
「自分の大事な奥さんと、今後できるであろう新しい家族を路頭に迷わせないために。」
という、理由で。
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この保険、ずーっと違和感を感じながらも、
「自分が死んだら700万円は支払われるから。」
「今解約すると、だいぶ損しちゃうしな。」
と思いながら、契約を続けて、毎月3万円を支払い続けてきたのだけど。
昨年末、解約した。
自分も金融の勉強をして、今の資産状況や家族の状況を考慮して。
気付くのが遅すぎたと、本当に後悔しているところだ。
解約して、すごく気持ちが晴れ晴れしたところでもある。
契約してから約20年間、年間36万円くらいを支払い続けて、その額は約720万円。
なお、解約返戻金は、288万円だった。
自分が死ななかったが故に、約430万円、ドブに捨てたことになる。
いや、あいつの給料として支払われたことになるのだろう。
この先、65歳まで年間36万円を18年間支払い続ければ、約650万円を追加で支払うことになっていた。
ちなみに、
MUFGの「積み立てシミュレーション」で、
月々3万円積み立て
40年間
年利 5%
リスク 9%
でシミュレーションすると、こちらのグラフのようになり、

自分が支払いを始めてから20年が経った今、
720万円の元本は、
1200万円を超えている。
また、さらに20年後には、
1440万円の元本は、
4400万円を超えている。
40年間、3万円を積み立てていた際の資産額4400万円は無理だが。
保険を解約したからこそできる新たな投資で、これからの20年で1200万円の資産が作れる。
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で、思うんですよね。
自分の年代で
小中高と過ごして、
理系の大学、理系の大学院を出て、
通信系の会社に就職したような自分と同じような人は、
金融の知識なんて、ほとんど持っていなかったと。
当時は、「金融情報弱者」だったと。
そんな自分に、ファイナンシャルプランナーの資格を持った、やつが保険を勧めてきて、
自分と同じような同僚たちの多くの契約を取った。
この事実に。
強く思うところがあって。
まず自分に。
もっと、長期の契約で高額の商品を購入することになるのだから、
しっかり自分で勉強した上で契約するべきだったという、自分に対する戒め。
同じ失敗はもう二度としない。
そして、外資系保険営業マンのやつに。
ファイナンシャルプランナーの資格を取ったならば、保険を含めた金融の知識を多く持っていたはずで。
友人に対して勧めるべき投資は、
本当に保険だったのか?
20代のうちらに勧めるべき投資は、本当に終身保険だったのか?
君たちが売りたかった商品を売ることだったのか?
自分の収入を増やすために、情報弱者をダマしているという感覚を持っていなかったのか?
君は、今、本当に「勝ち組」になれたと思っているのか?
資本主義の今、
儲かるために、生きるために、仕事としてやらなければいけない役割は、一定あるのだろう。
でも、自分とお客さんとが、
「Win-Lose」の関係になるようなものを売ってはダメでしょ。
お客さんが情報弱者だとしたら、なおさらだ。
ズルい商売をしている連中をどうにかして排除したいと思っているが、
ズルい商売をしている企業に株を投資している自分もいて。
自分を綺麗に見せようとしているだけのような感じもして。
ならば、いっそズル賢く、嫌われても良いから、ズル賢く。。
綺麗ごとばかりをならべても生きていけない、今の世の中に、嫌気がさしている。