3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

映画「国宝」が何から何まですごかった件。

この前、ちまたですごい話題になっている映画「国宝」を観に行ったんですよ。



3時間ある映画なんですが、あっという間ですね。

ずーっとスクリーンに見入ってしまって。

観終わった後は、

「すげぇ。。。」

「まじで、すげぇ。。。」

くらいの感じで、放心状態でしたよ。



自分は、歌舞伎は見たことがなくて。

特に事前の情報も持っていなくて、

「面白いらしいから観に行った」

という感じなんですが、

そんな自分でも十分楽しめた、というか、すごすぎて、なんだかもう、、、という感じになれた映画。


「血筋と芸能」

そんな壮大なテーマに切り込んだ、ものすごい映画。


で、ここから自分なりに何がすごかったのかを語ってみようと思うのですが、ネタバレありなので、ご注意ください。

というか、映画を観た方じゃないと、意味不明だと思います。



■すごさ①:吉沢亮が綺麗すぎる

映画の主役であり、ヤクザの組長の子どもとして生まれた喜久雄役の吉沢亮。

映画の序盤で、組長の父が射殺されて、

その場にいた歌舞伎役者の花井半二郎(渡辺謙)に育てられることになるんですが、

まぁ、この吉沢亮の歌舞伎の演目が素晴らしい。


曾根崎心中

鷺娘

二人道成寺

二人藤娘

などの演目あったのですが、そのすべてで、吉沢亮がまじで美しすぎる。

相当な稽古をしたのだろうと想像もたやすい。


映画ならではの、顔のドアップなど、カメラワークも素晴らしく、

歌舞伎を知らない自分でも、

「歌舞伎見てみたい」

と思えるくらいの迫力と美しさがあった。



■すごさ②:2回目の曾根崎心中の演技が迫真すぎる。

花井半二郎の実子である俊介(しゅんぼう)役の横浜流星。

喜久雄と俊介は中学生のときに出会い、共に同じ屋根の下に暮らし、

稽古をつけてもらい、同級生でもあったため、

唯一無二の友人同士になるのだが。


喜久雄と俊介は、まぁ色々あって別々の道を進むことになり、

何年か経ったときに、また同じ舞台に上がることになる。


その時に、俊介は、いわくつきの「曾根崎心中」をどうしても遊女「お初」役でやりたいと言い、

ならばと、喜久雄は、お初を愛する「徳兵衛」役をやると言う。


この時、俊介は糖尿病を患っており、左足のひざ下を切断しており、

満身創痍の中、舞台に立っていて。


お初が、

「死ぬる覚悟がききたい」

と、縁側の下にかくまわれている徳兵衛に問うシーンがあるのだけど、

ここで俊介の右足も壊死しかけていることが分かり。


喜久雄は、俊介にはリアルに死が迫っていることを知り、

演目の演技なのか、リアルな感情なのか、

そのリアルな演技が、迫真過ぎて、、、



それを演じている吉沢亮と横浜流星、本当にすごい役者さんだ。



■すごさ③:喜久雄が見たかった景色に対する伏線と回収

喜久雄は、子どもの頃に目の前で父が銃殺されるのだけども。

それは、新年会の宴会の最中で、雪が降っていた。


そこに、他の組と思われる連中が乗り込んできて、乱戦になり、

覚悟を決めた喜久雄の父(永瀬正敏)は、覚悟を決めて、

料亭の中庭に出て、刀を持ち、片肩を出した上で、

喜久雄に向けて、

「見とけ」

と一言。


その後、銃殺される。


映画の中で、花吹雪が舞うようなカットが何度か入るのだが。

そこにどのような意味があるのか良く分からなくて。


映画の中で最終的に、「人間国宝」になった喜久雄が、

インタビューを受けているシーンがあり、

喜久雄は、

「ある景色を探している」

と言う。

その景色がどのような景色なのか、喜久雄もその時は分かっていなさそうなのだが、


それが、映画のラストシーンの景色であるという。


喜久雄が、人間国宝として演目「鷺娘」を演じきり、

幕が閉じて、

花吹雪のようなものが舞うところで、

「きれいやなぁ」

と言って、映画が終わるのだが。


自身が死ぬことが分かっていてもなお、ヤクザとしてかっこをつけて、

「かぶいていた」

または、

「かぶき者を貫いた」

そんな父が、その瞬間、どのような景色を見ていたのかを知りたかった喜久雄。


人間国宝になり、

「歌舞伎」を極めて、

最高の演技を終えた後に見えた景色が、

父があの瞬間に見ていた景色と同じ景色だったことに気付く。


どちらも、何かを捨ててきて、何かの役を演じきることで見える景色であり、

きれいで美しいものなのだと。



■すごさ④:キャストがすご過ぎるだろ

まず、「寺島しのぶ」

歌舞伎役者花井半二郎(渡辺謙)の妻の役。

俊介の実母であり、喜久雄の育ての親。


寺島しのぶの父は、七代目「尾上菊五郎」であり、人間国宝だ。


バリバリの血筋の役者に、バリバリの血筋役を演じてもらい、

随所に血筋を重んじるセリフがあり。

説得力が半端なさ過ぎて。。。



次に、「三浦貴大」

歌舞伎の興行をしかける会社の社員、竹野役。

三浦貴大は、ご存じだと思うが、父は俳優の三浦友和で、母は元歌手の山口百恵。

もう、めっちゃ血筋!じゃないですか。


そんな三浦貴大が、喜久雄(吉沢亮)に、

「歌舞伎は結局最後は血筋。いくら芸が優れていても、お前は最後は苦労するよ。」

と吐き捨てるシーンがあって。


血筋エリートの三浦貴大がそんなこと言うなんて、嫌味以外の何物でもないじゃないですか。


その発言に、カッとなって喜久雄は、竹野に蹴りを入れるのですが。

この配役、すごすぎるでしょ。


でもそんな嫌味発言の竹野も実は良い人なんですよね。



最後に、「田中泯」

人間国宝の万菊役の田中泯。

なんだか分からんのですが、ものすごい存在感なんですよ。

そして、この田中泯、

映画「PERFECT DAYS」の中では、公園で意味不明なポーズをしていたホームレス役だったんですよね。

ホームレス。

人間国宝。

はたから見ると、全く違うところにいる2つのポジションを、同じ役者が演じている不思議。


万菊は、6条一間のような何も置いていない部屋で、最期を迎えようとしていて。

その時、喜久雄を呼び寄せ、

「こんな何もないところに落ち着きを感じるんだよ。」

と言うのですが、

「この感じ、PERFECT DAYSのホームレスと通ずるな」と感じて、

一人震えが止まらなかったっす。



~~~~~~



映画「国宝」。

他にも見どころはたくさんあって、言語化することも難しいこともあるのですが、、、

一度、いや、もう一度観に行きましょう。

まじですごいですから。



そして、映画を観終わって、一つ気がかりなことがあるんですよね。


「おれ、糖尿病じゃぁないよね?」って。

ほんと、糖尿病、怖いって、思いましたよ。

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