石川佳彦さんと言えば、ウルトラマラソン界での第一人者だ。
2019年7月にテレビ朝日の「激レアさんを連れてきた」に出演されたこともあって、ご存知の方も多いのではないかと思う。
そんな石川選手が、つい先日、こんなツイートをされていた。
以前、取材していただいた際に
— 石川佳彦 (@ishikawa_11111) 2020年7月9日
「走り続ける動機は?」と聞かれた時「感謝と怒りです」と答えた事を思い出す。イライラとは違う怒りの感情は全てを凌駕するほどの力を生み出す。今月は24時間走アジアオセアニア選手権がインドで開催される予定だった(延期)。感情を推進力に変えて前に進まなければ。 pic.twitter.com/XtGlVnpRjp
「走り続ける動機は?」と聞かれた時「感謝と怒りです」と答えた事を思い出す。
イライラとは違う怒りの感情は全てを凌駕するほどの力を生み出す。
石川選手の「感謝」。
これは、2019年の「バッドウォーター135」でプロポーズした、奥様に対する感謝が、大きいんじゃないかと勝手に思った。
www.on-running.com
でも、石川選手の「怒り」は、一体、何に対する怒りなんだろう。
このツイートを見て、かつて青色発光ダイオードの発明により、2014年にノーベル物理学賞を受賞した
中村修二教授
の言葉を思い出した。
研究の原動力について「アンガー(怒り)だ。」
www.youtube.com
※動画の1分25秒あたりから
ときには「怒り」がモチベーションになるのだ。
*****
「怒り」は、未曽有のエネルギーを生み出すことがある。
「ザ!世界仰天ニュース」のダイエットのコーナー。
「ダイエットの神」が降臨するのは、怒ったタイミングであることが多い気がする。
何年か前、開発部門に所属していた自分は、新規機能の商用化の開発リーダーの立場だった。
共に商用化を目指している様々な部門から、理不尽な要求を受け、死に物狂いで仕事をこなし、午前様が続き、いつ倒れてもおかしくないと思いながら仕事をしていた。
いっそ、倒れた方が楽かもって思っていた。
その時、自分を突き動かしているものは、
「あいつらには絶対に負けない」
という「怒り」のような感情だったと思う。
もちろん、
「お客様により良いサービスを提供するために」
という想いが根底にはあったが、それよりも「怒り」のような感情が自分が動き続けられた理由だったように感じる。
*****
今、自分は、毎日のように走っている。
今の自分には、体力的にかなりキツい。
それでも、走り続けている。
「それだけ走っているモチベーションは?」
と聞かれると、それはもしかしたら、
「怒り」
なのかもしれないと思った。
これだけ、自由に走らせてくれる奥さんを始め、家族には「感謝」しかない。
でも、それは、走れた結果の感謝で、走ることに対するモチベーションではない。
どうしようもなく心に纏わりついている「怒り」。
怒りと言うよりも、「失望」かな。
それが、月間120kmそこそこしか走れていなかった、ただのおっさんを突き動かしてくれている気がする。
「もうやめたい」
と思ったとき、あの出来事を思い出し、自分を奮い立たせる。
だから、自分をここまで「怒り」と「失望」の念で満たしてくれた出来事に、感謝の気持ちが沸いてくることがある。
自分が、この先、走らなくなった時は、その「怒り」と「失望」が消えてなくなった時なのかもしれない、とも思う。
そして、「走るモチベーションは、色々なところにある」という大迫傑選手の言葉も思い出した。
東京マラソンを2時間5分29秒の日本新記録でゴールしたときの「こんちくしょー!」の雄たけび。
大迫選手もこの時は「怒り」に似たような感情を持って走っていたのかもしれない。
※大迫傑著「走って、悩んで、見つけたこと。」より
また、「怒る」ことによりスーパーサイヤ人になれた孫悟空。
その後、「精神と時の部屋」で、スーパーサイヤ人の状態を維持する修行を行った。
そんな修行ができれば、まさに「呼吸するがごとく」走れるようになるのかもしれない。
www.all-out-running.com
そんなことを考えながら、今日も走りに行く。
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