ランニングにおける、腕振り。
何が重要なのか、今まで論文を調べてみたが、あまり大した情報が見つからなかった。
だが、論文以外の調査で、非常に重要なポイントが見いだせた気がする。
ここでは、腕振りに重要なポイントである肩甲骨の柔軟性について語りたいと思う。
ランニングエコノミーに関する論文より
例えば、こちらの2016年発表のランニングエコノミーに関する論文。
"Is There an Economical Running Technique? A Review of Modifiable Biomechanical Factors Affecting Running Economy"
和訳すると、
「エコノミカルなランニングのテクニックは存在するのか。ランニングエコノミーに影響を与える改善可能な生体工学的な要素とは。」
という感じだ。
2016年に発表された、過去の論文を調査した、調査論文なので、2016年以前の論文の総まとめ的な内容となっている。
この中で語られている、腕振りに関する一節は、
Swinging the arms during running plays an important role as it contributes to vertical oscillation
和訳:腕振りは、下肢の動作による振動を抑制するために重要だ。
Therefore, based on current evidence, individuals are encouraged to maintain their natural arm swing whilst running.
和訳:したがって、現在時点でのエビデンスでは、ランニング中は、各個人にとって自然な腕振りを継続することが大事だ。
お、おう。
たぶんね、ランナーが知りたいことは、
「今の自分の腕振りは、『自然な腕振り』なのか?」
ってことなんだと思うの。
でも、どうやら腕振りは、個人の骨格や癖などに依存することが大きく、みんなに統一する見解としては、
「自然に振る」
くらいのことしか言えないのかもしれない。
ランニングにおける腕振り。
論文とは違う側面から調べてみた。
神野大地選手の肩甲骨の柔軟性
まずは、こちらの動画をご覧頂きたい。
my 肩甲骨!#青トレ#継続は力なり pic.twitter.com/FjLRkGCIwR
— 神野大地 Daichi Kamino (@daichiagu) 2018年8月2日
元青山学院大学、箱根駅伝の「山の神」こと、神野大地選手の肩甲骨の動的ストレッチ。
この動画を見て、まじでビビった。
肩甲骨の可動範囲の大きさに、まじでビビった。
こちらの肩甲骨の動的ストレッチは、Number Doの企画で、高橋尚子さんと神野大地選手の対談があり、その際にも取り上げられていた。
www.instagram.com
「肘の先にビームが付いている感じで」
そのビームを広範囲に拡散させるイメージで肩を回す。
これを長年継続することで、神野選手のような肩甲骨の可動域を得ることができるはずだ。
そして、神野大地選手のこちらのインタビュー記事。
ananweb.jp
あと、走る競技は実は腕振りが大事。しっかり腕を振れるよう、肩甲骨まわりの柔らかさは意識しますね。日頃からグルグル回していますが、レース前は特に念入りに。
肩甲骨周りの柔軟性を確保して、腕振りをしっかり行えるように意識していると言う。
この動的ストレッチを取り入れれば、今よりも速く走れるようになることは、間違いないだろう。
大迫傑選手information が語る腕振り
大迫傑選手information のツイートアカウントが、肩甲骨と股関節の連動について、書いているツイート。
肩甲骨は股関節と対角に連動しており、右の肩甲骨は左の股関節、左の肩甲骨は右の股関節という風に常に連動し合いながら走っています。
— 大迫傑 information (@C04388273) 2018年11月18日
左はファラー、右は800M世界記録保持者ルディシャです。2人とも顎の前まで拳が来て、引き腕は地面と水平というのが驚きです。腕が振れるとストライドが伸びます。 pic.twitter.com/W5oq8hksX6
この写真を見て、まじでビビった。
モハメド・ファラー選手の引き腕の地面との水平さ具合に、まじでビビった。
鏡の前で、その場腕振りをしてみたが、全くもって、引き腕が地面と水平にならなかった。
(特に四十肩を患っていた右腕)
大迫選手information が掲載した写真は、最後のスパートや、マラソンよりも短い距離でのスピードに乗った時点での写真だろう。
だが、ここまでの引き腕の直角具合は、すごいと思った。
肩甲骨周りの柔軟性が高くなければ、これほどの腕振りは実現できないと思われる。
まとめ
肩甲骨周りの柔軟性を高めることで、
腕 = 下肢のカウンターウェイトの可動性を高め、
結果、楽にストライド幅を広げることができる。
トップアスリートの動きを見ることで、
「肩甲骨の柔軟性」
が重要なポイントであることが分かってきた。
肩甲骨の柔軟性を高めた上で、自分にとって自然な腕振りをする。
あれだけの肩甲骨の柔軟性を獲得している神野大地選手。
その神野選手が取り入れている、肩甲骨の動的ストレッチ。
これは、継続の価値ありだ。
さぁ、みんな。
肘の先からビーム出してやろうぜ。
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