3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

ランニングにおけるアームカバーの効果。あのキプチョゲもしてるよな。

ここ数年、エリートランナーが、アームカバーをしていることを良く目にする。

つい先日の2018年9月16日に開催されたベルリンマラソンで、Kipchoge Eliud(エリウド・キプチョゲ)が、2時間1分39秒の世界新記録を叩き出した。

このキプチョゲも、Nikeのアームカバーをしていた。
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※画像はこちらから拝借させていただきました。


キプチョゲがはめていたアームカバーは、

「Nike Pro Dri-FIT 3.0 Sleeves」

残念ながら、2018年9月18日時点で、日本では購入できない。。。



俺は、ずっと疑問を持っていた。


「ストッキングや、アームカバーに代表されるコンプレッションインナーの効果って何よ?」と。


数年前から、「コンプレッションインナーは、SUGEEEEE!」みたいな風潮があり、俺もついつい買ってしまったが、その効果を体感したことは、残念ながらない。

論文に見るコンプレッションインナーの効果とは

そこで、ググってみた。

「検索は思考の一部。ググる前にググれ。」だ。


検索で見つけた論文は、他の論文に引用されていないものから多く引用されているものまで、数10本。

そのほとんどの論文が、ふくらはぎ部分のコンプレッションストッキングについての効果に関しての記述だった。

アームカバーを取り上げた論文は、見つからなかった。



そして、論文を読むと、「効果はある」という論文と「効果はない」という論文が、半々くらいという印象。


「コンプレッションインナーは、効果がある」と結論付けている論文の効果をまとめると、

・圧迫することによる血流の促進などによる細胞での酸素飽和量増大

・寒い時の保温

・筋肉などのブレや揺れを抑えることによるエコノミーの向上

・怪我の防止

などについて記載があった。

これらの効果により、「ランニングパフォーマンスの向上」や「リカバリーが早まる」などの効果が期待できるとのことだ。

保温と怪我の防止は、理解できるが、酸素飽和量の増大とブレを抑えることによるエコノミーの向上については、若干眉唾な香りを感じてしまう。



例えば、こちらの論文。
"EFFECT OF COMPRESSION STOCKINGS ON RUNNING PERFORMANCE IN MEN RUNNERS"

コンプレッションストッキングを着用する/しないで、ランニングのパフォーマンスの違いを比較している。

結論としては、コンプレッションストッキングを着用することで、最高速度は上がるし、VO2Maxは向上するし、タイムも上がるとのこと。



一方、効果はないと言及している論文も多数ある。

例えばこちらの論文。
"Compression Sleeves Increase Tissue Oxygen Saturation But Not Running Performance"

結論としては、皮膚表面や毛細血管の血流が良くなることで、酸素飽和量が上がるものの、ランニングのパフォーマンス向上には一切寄与しなかった、としている。

酸素飽和量の向上が、何かに寄与する可能性があると、何かしらの効果があることは匂わせて論文の結論としている。



また、効果があると記載している論文でも、プラシーボ効果(思い込みの効果)を除去できないと記載している。

プラシーボ効果については、複数の論文で記述があった。
"Compression garments and recovery from exercise-induced muscle damage: a meta-analysis"

"The Effects of Compression Garments on Intermittent Exercise Performance and Recovery on Consecutive Days"

"Is There Evidence that Runners can Benefit from Wearing Compression Clothing?"


論文を読む限り、効果が「ある」と断言することもできなければ、「ない」と断言することも難しい、ということのように思える。


なぜキプチョゲはアームカバーをするのか

ググってみたが、インタビュー記事など、特に見つからなかった。

なので、ここからは、色々な記事などを読んでみた俺なりの推測を記載することにする。


1つ目の仮説としては、

「ケニア出身のキプチョゲは、寒いのが苦手なので、アームカバーをする。」


まず、9月16日のベルリンマラソン2018のスタート時の気温は14度。


2018年4月のロンドンマラソン2018では、2時間4分17秒で優勝し、その時の気温は24度まで上がった。

このとき、キプチョゲはアームカバーをしていない。


2017年9月のベルリンマラソン2017では、2時間3分32秒で優勝し、気温は13.8度。

アームカバーあり。


少々データが少ないが、14度くらいのときは、アームカバーをするようだ。


ノースリーブのシャツにアームカバーというスタイルは、肩周りの稼働を抑制されることがなく、体が熱くなったらアームカバーを外せば良いので、体温調節にはもってこいだと思われる。



2つ目の仮説としては、

「キプチョゲは、アームカバーで汗や鼻水を拭く。」

これについては、全くの根拠レス。

なんとなくそうなんじゃないかと思っただけ。



3つ目の仮説としては、

「スポンサーであるナイキのため。」

Nikeの「Breaking2プロジェクト」のニュース記事に、Breaking2のギア達が、キプチョゲとともに紹介されている。
news.nike.com


「効果があるかもしれないし、寒いときだったら、着てもいいよ。」と、ケニア出身の純粋無垢なキプチョゲが、Nikeの依頼を受け入れているのかもしれない。

完全に私見です。
すいません。。。

おわりに

論文を調査してみたものの、「これだ!」という効果がはっきりと論じられているものは見つからなかった。

ただし、「体温調節」という観点では、アームカバーは機能的で、使いやすそうだ。

また、「酸素飽和量の増加」が、何らかの効果を生み出す可能性もある。


アスリートでは、キプチョゲを始め、モファメド・ファラーもアームカバーをこよなく愛している。

ちなみに設楽悠太は、手袋派のようだ。


ということで、俺の結論としては、

「気持ちが上がる自分好みのギアを付ければ良いんじゃないの?」

ということ。


さ、気持ちがグングン上がっちゃうランニングギア、買っちゃおうかな。


いつもありがとうございます!
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