ある日、自宅の2階にある俺の書斎でいつものようにブログを書いていた。
いつものように缶ビールを飲みながら。
ふと気付くと、缶ビールを飲み終わっていた。
「もう1本飲みたいな」
「でも1階の冷蔵庫までビールを取りに行くの、面倒くさいな」
横浜市の超絶豪邸に住んでいるため、2階の書斎から1階の冷蔵庫まで、数m歩き階段を上り下りする必要があるのだ。
缶ビールでほどよく酔っぱらっている俺にとっては、かなりの重労働だ。
そこで、大きな声で三女にお願いしてみた。
「りこー!パパにビール持ってきてくれないか?」
三女から返事がない。
どうやら、iPadに夢中なようだ。
しかたない。
「りこー!!30円あげるから、パパにビール持ってきてくれないか?」
「え?30円?待っててね!」
三女は即答した。
サンタさんに貯金箱をもらった三女は、最近お金を集めることが楽しいのだ。
そして俺は、1階に下りることなく、冷たい缶ビールを飲むことに成功した。
*****
昔読んだビジネス書に書いてあった。
そのビジネス書の著者は億万長者だ。
億万長者になれた理由の一つに、父親の存在があったという。
その父親は、著者が子どものころから、お金の大事さを教え、お金を稼ぐことを経験させていたという。
ある夏休み、著者が夏休みの期間を利用して、自分が欲しいもののために自らお金を稼ごうとした。
家にあったレモンスカッシュを家の前で売ることにした。
でも、全く売れなかった。
著者は「需要と供給」と父親に教えられ、
工事現場の前でレモンスカッシュを売り始めた。
真夏の暑い中、工事で疲れ切っている現場の方々には、
価格を倍にしても飛ぶように売れた。
そんなビジネス書を思い出し、俺も娘たちに「自らお金を稼ぐこと」を覚えさせようと思ったのだ。
*****
以降、何かにつけて、良いことをしたら、いくらかお金をあげるようにしている。
洗濯物をたたんだら、20円。
掃除機をかけてくれたら、10円。
ゴミを出しに行ってくれたら、10円。
1時間勉強したら、10円。
これが、大正解だった。
娘たちは、自らすすんで家事を手伝ってくれ、勉強もするようになった。
勉強が終わると、
「パパ、これ、やったところみてね。」
と自然と会話も増える。
素晴らしい小遣い制度。
だが、ある日、三女が気付いてしまった。
やたらと、俺にビールをすすめてくるのだ。
「パパ、ビール飲みたいでしょ?持ってきたから30円ちょうだい。」
そう。
勉強するよりも、洗濯物をたたむよりも、掃除機をかけるよりも、ゴミを出しに行くよりも、もっと簡単に多くの小遣いを稼げる方法に気付いてしまったのだ。
そして、俺はこの週末も、1本あたり30円を支払い、三女が持ってきてくれるビールを美味しくいただくのだ。
金額の設定を間違えないようにしないと、うまく機能しない小遣い制度だということを学んだ、ある日の週末だった。
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