土曜日の朝、目が覚めると、LINEの未読が100を超えていた。
「でたな、親じ会。」
「しばらくスマホを見ていないと、未読が100をゆうに超える」
っていうのは、親じ会あるあるで。
今回は、
「6年生を送る会」
の件での議論がLINE上で行われていた。
で、
「土曜日の朝10時にマック集合」
と。
この日、9時半から銀歯をつめることになっていたし、この週末、論文の修正と資料作成の仕事がある俺は、何も返信せずにそっとLINEを閉じた。
だが、歯医者に到着すると、
「で、ウッP来るの?」
と「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」からのLINE。
銀歯をつめ終わって、
「飲み物はOK。食事は15分後からOK。」
とのことだったので、マックにGoした。
土曜日の朝10時にマックに集合して、「6年生を送る会」のイベントの詳細についてディスカッションする、お父さん7人。
うち、OBの親じが、3人。
OB親じの「声がでかい黒縁メガネの THEオヤジ」は、
「俺が、記念品のクルトガのシャーペンと景品の駄菓子を買いに行くからな。」
と、誰にも頼まれていないのに、やる気十分。
PCを持ってきて、議事録を取っている、こちらもOB親じの「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」。
積極的に議論をしきり、この週末も仕事という「ツワオノオトコ」もOB親じ。
「こっちの方が、子ども達が楽しめると思う。」
「ドッヂボールは、6年生ともなると女子が楽しんでくれない。」
「点数をゲットして、運動会みたいにクラス対抗で競わせたら盛り上がる。」
「リレーは、先生も入ってくれた方が子ども達が嬉しいはず。」
子ども達ファーストで考えて、自分たちも楽しむ余裕。
普通なら面倒くさいと一蹴してしまうようなことを、楽しみながら前向きに取り組める、こんなお父さんたち、本当に素敵だ。
打合せは、1時間半ほど。
俺は、自分が提案した「クイズ」の全体を仕切る役割になった。
テレビ番組の「小学5年生より賢いの?」をパロって、校庭でもできるように企画する予定。
これから詳細を練り上げていこう。
~~~~~
マックから帰るときに、車で来ているという「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」が、
「車乗ってく?」
と、優しいお誘いをしてくれた。
でも、「ツワモノオトコ」と一緒に手を繋ぎながら帰ろうと思っていたので、
「うーん、どっちでもいいかな。」
って返答したら、
「その回答はゼロ点だ。」
と「ツワモノオトコ」。
「なんも面白くないじゃんか。」
と。
「乗せて下さい!」
「いや、乗せねーよ。」
「は?」
「いやいや、冗談だよ。」
「なんだよ、冗談キッツイすよ。あざすっ!」
の流れだろ。
と。
なるほど。
確かに、その一連の流れで、なんかちょっと気分が盛り上がる。
3人のおっさんが笑顔になりながら「永遠の悪ガキ下町ロケット親父」の車に乗り込む。
駐車場の精算機の前で、
「300円」
の表示。
「あ!やべぇ!」
と、下町ロケット親父。
迫真の演技。
おいおいおい。
駐車料金をワリカンするために、俺らを誘ったな疑惑。
みんな笑顔になって、仲良く100円ずつ払った、おっさん3人。
ツワモノオトコが先に下車。
「100円タクシーだったな。」
と。
そこから50mほどで、俺の家。
「130円になります」
と、下町ロケット親父。
「30円、つけといて!」
と、俺。
「あざーす」
と、下町ロケット親父。
楽しい週末の始まりだ。
少しずつ、前へ。
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