筋肉は柔らかい方が良い筋肉だ。
なんてこと、聞いたことないですか?
柔らかい方がしなやかで良いんだ。
みたいな。
鍛え上げてみたものの、俺の筋肉は硬いのか?それとも柔らかいのか?
この筋肉の「硬さ」について、調べてみたのでまとめてみたい。
筋肉の硬さとは
筋肉の硬さは、「筋硬度計」で測定される。
例えば、こちらの井元製作所製の「生体組織硬度計 PEK-1 」
www.imonet.jp
ある一定の力で皮膚表面から押し込んだ際の、へこむ量によってその部位の筋肉の硬さを測定する。
測定は、このような感じで皮膚表面に接触させて行う。
この筋硬度計は、肩こりに代表されるような、筋肉の「コリ」を測定する際も利用される。
筋肉を使うと、使った筋肉の周辺に老廃物が蓄積し、その老廃物を除去するために血液が多く流れることにより、その部位の血圧が上昇し、硬くなる。
これがコリの原因でもある。
また、先日、走るのが速い人は足首が硬いという記事を書いた。
www.all-out-running.com
足首の硬さは、足首を動作させる筋肉の「筋スティフネス」で表現される。
簡単に言うと、筋肉のバネ係数だ。
走るのが速い人は、筋スティフネスが大きい(ばね係数が高い)。
本日のエントリーで言う「筋肉の硬さ」は、筋硬度であり、関連はあるものの、筋スティフネスとは違う。
力を抜いたときと力を入れたときの硬さの差が重要
いくつかの論文を読んだところ、
緊張硬度(力を入れた時)と弛緩硬度(力を抜いて脱力した時)の筋硬度の差と
運動能力に関係があることが分かった。
筋硬度差と瞬発力
”筋硬度に関する研究 (第一報) 筋硬度差による運動能力の判定法”
こちらの論文、昭和26年の論文と、非常に古いが、筋肉の硬さと運動能力について言及されている。
緊張硬度(力を入れた時)と弛緩硬度(力を抜いて脱力した時)の筋硬度を測定し、その差を求めている。
この硬度差が大きければ瞬発力・跳力・握力の能力が高いことを報告している。
ご存知の方も多いと思うが、瞬発力や最大筋力を高めるために必要な筋肉は、速筋である。
また、マラソンなどの持久的な能力を高めるために必要な筋肉は、遅筋である。
緊張硬度(力を入れた時)と弛緩硬度(力を抜いて脱力した時)の筋硬度の差が大きいと、速筋が優位に働く、瞬発力や最大発揮力が高くなるということだ。
筋硬度差と持久力
一方、こちらの論文では、筋硬度差と持久力の関係を調査している。
握力での評価ではあるが、前腕部の筋肉の硬さと、最大発揮力と70回連続で握力を測った際の発揮力の落ち込み方で、実験を行っている。
結果としては、
・筋硬度差が大きい人と、小さい人との間で、脱力してる時の筋硬度に優位な差はない
・筋硬度差が大きいと、最大発揮力が大きい
・筋硬度差が小さいと、筋持久力が高い
ということが分かったと報告している。
まとめ
2本の論文を読んで分かったことは、
脱力したときの筋肉の硬さ
力を入れた時の筋肉の硬さ
これらの差が、運動能力と関係がある。
ということだ。
この差、筋硬度の差が、
大きい = 瞬発力が高い、最大発揮力が高い
小さい = 持久力が高い
ということだ。
俺は、マラソンランナーだ。
瞬発力が高い(短距離走が速い)ことも重要ではあるが、それ以上に、
持久力が高い(長距離走が速い)ことが重要だ。
すなわち、マラソンランナーは、脱力したときの筋硬度と、力を入れた時の筋硬度の差が小さい方が良い。
ただ、この筋硬度。
皮膚表面からの押しこみ量で測定しているため、限界もある。
どうしても皮膚組織自体の硬さや、皮下脂肪の影響を除去できない。
個人差もあるだろう。
なので、上記のような「傾向が高い」くらいの参考の情報として記憶しておくのが良いだろう。
で、自分の筋肉は、どうなんだろう。
超絶速いランナーと比較して、どの程度の硬さなんだろう。
そんな疑問がふつふつと沸いてくる。
よし。
次、マラソンブロガーの皆さんにお会いしたら、実際に筋肉を触ってみよう。
特に、走りに重要な、お尻、ハムストリングス、内転筋あたりだろう。
触りまくってやるぞ♡と。
むふふのふ。
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