俺は心穏やかではなかった。
というのも、長女(中学1年生)が、異性から告白されたらしいのだ。
「は?どういうことなんだ、それは?」
俺は思わず聞き返した。
*****
長女と奥さんがなにやらコソコソ話をしているところ、俺はスマホをいじっているフリをしながら、聞き耳を立てていた。
長女:「〇〇君が、『前から気になっていた』ってLINEで送ってきたんだよ。」
奥:「で、なんて返信したの?」
長女:「私も気になっているよ、って送ったの。」
奥:「えーーーーっ!!!」
俺:「は?は?は?どういうことなんだ、それは!?『気になっている』ってなんなんだよ!」
その後、「なんでパパが聞いているの!!」って、長女に怒られた。
長女は、男女の関係にものすごい拒否反応を示す。
ドラマのキスシーンなんかを見ると、
「きもちわるっ」
とか言っている。
「好きな男女は、手をこう繋ぐもんだろ。」
と指を交互にしながら繋ぐ感じを見せると、
「きもちわるっ」
とか言っている。
まぁ、そういう歳ごろなんだろう。
そんな長女が、LINEで、告白とも取れる「前から気になっていた」に対して、
「私も気になっている」って返信。
俺は、このクダリに対して、2点、「は?は?は?」って思った。
まず、相手の男の子が、LINEで「気になっている」ということを伝えている点だ。
「大好きだ」、「好きだ」なら、まだ許してやろう。
娘の親として。
だが、
「気になっている」
という、多少弱気なメッセージで様子を探る感じが、俺には納得がいかなかった。
様子を探りたいなら、普段の学校生活の中で、探って欲しかった。
というか、LINEという無機質なコミュニケーションツールで、告白じみたことをするということが、俺には信じられなかった。
告白と言えば、放課後に、学校のプール裏に呼び出して、「大好きだ」という気持ちを直接言葉で表現し、思いのたけを綴ったラブレターを渡すんじゃないだろうか。
「今日の放課後、学校のプール裏に来てくれないか?」
と伝える時のドキドキ。
プール裏で待つ間の、来てくれるのかそれとも来てくれないのかの、
ドキドキ。
思いのたけを伝えた後の、相手の女子の反応を見ながら、言葉を発するまでの、
1秒1秒の長さと言ったら、もうね。
少なくとも俺は、25年ほど前に、そんな感じで告白した。
そして、2点目は、長女がすんなり「私も気になっている」と返信していることだ。
そこは、すんなり返信してしまってはダメだ。
相手をもっと、やきもきさせなければならない。
「え?それはどういうこと?」
くらいのちょっとした攻めの一手が欲しかった。
その一手により、
「実は、お前のこと好きなんだ。」
くらいのLINEのメッセージを引き出せたかもしれない。
いや、そもそもLINEでそんな大事なことをやりとりしているって、、、
時代だな。
*****
その後、長女とその男の子が、どんな関係になっているのかは、聞いていない。
でも、長女も人並みの青春らしきものを味わっていそうで、、、
良かったな。
うむ。
心穏やかではないな。
『気になっています』っていうメッセージ、受付中です
にほんブログ村