「9月(昨年のMGC)に3番になってから、独り、苦しい戦いだったんですけど。。。」
(涙を袖でぬぐって、しばらくの沈黙)
「しっかり、走れて良かったです。」
東京マラソン2020で、日本人トップでゴールし、日本記録を更新した、大迫傑選手のゴール後のインタビューだ。
泣いてしまった。
なんていうか、俺みたいな、なんでも適当に考えているおっさんが、大迫選手みたいな、すべてをそぎ落としてマラソンという一つのことに人生を捧げているような人間の涙を見て、泣いてもいいのだろうか、って思いながら泣いてしまった。
娘たちに、
「パパ泣いてるんだけど~!!笑」
って笑われた。
*****
東京マラソンは、序盤、多くの日本人選手がハイペースで走り出した。
ハーフの折り返し地点を過ぎても、2時間5分50秒の日本記録を超えるペースで走っている日本人選手が多くいた。
大迫傑選手は、井上選手とともに、トップ集団。
大迫選手は、トップ集団の後方で、ペースの変化が直接影響しないような位置取りをしており、冷静なレース運びをしているように見えた。
だが、22km付近から、少しずつトップ集団から離された。
対する井上選手は、その後しばらくトップ集団に付いていたが、24km過ぎで、トップ3選手から遅れて、2個目の集団で走るようになる。
大迫選手は、2個目の集団に付いていけず、単独走になった。
この時点で、日本人トップでゴールするのは「井上選手だな」って多くの人が思ったと思う。
俺も、そう思った。
「大迫、ダメだったか。。。」って。
だが、大迫選手は、2個目の集団との距離を徐々につめはじめ、32kmあたりで、集団に追いついたのだ。
そして、苦しそうな井上選手の状態を確認して、一気にペースを上げた。
大迫選手は、その後、前からこぼれてくる選手を何人かパスして、全体の4位、日本人1位でフィニッシュ。
ゴール手前で、ガッツポーズを何度もキメて、雄たけびをあげながら、
「しゃー!!」
って叫びながら、ゴールした。
2時間5分29秒
自身の持つ日本記録を21秒更新してのゴール。
俺は、大迫選手がゴール前の直線に入るところで、右手を上げたあたりから、泣いてしまった。
すげー顔して、右手のブレスレットに口づけして、雄たけびを上げながら、ゴールテープを叩き上げるように、フィニッシュ。
大迫傑、カッコウ良すぎだよ。
娘たちに、涙を流していることをツッコまれはしたけど、涙が止まらなかった。
これほどまでに一つのことに集中して取り組んで、自分の限界に挑戦して、そして、結果を残す。
本当に、本当に、すごいなって。
一方、
「俺に、こんな凄まじい経験はあったのだろうか」
と、自問自答した。
*****
大迫選手のラップを掲載しておこう。
スタートから5kmまでは、キロ2分55秒という、超ハイペース。
最遅のペースは、35km-40kmのキロ3分03秒。
実に、1kmあたり、8秒のペースの差がある。
5kmで約40秒も遅くなっている。
東京マラソンのコースは、前半は下りが多くペースが上がりやすいが、このレベルの選手での8秒のペースの差は、結構大きいなって思った。
後半、ペースを下げながらも、なんとか粘った大迫選手の気持ちの強さも感じられるラップだ。
「俺も、あんなすごい経験をしてみたい」
そう思った。
昨年のMGCで、3位という、大迫選手にとっては不本意な結果になってしまってから、
独り苦しみ、ケニアに行って、極限の練習を積み、
東京マラソンで、自身の持つ日本記録を更新して、日本人トップでゴールする。
ツラくキツい時間があったからこその、あの涙。
俺も、頑張ろう。
どんなことでもいい。
がんばろう。
大迫選手を始め、東京マラソンを走った選手の皆さん、最高に楽しい時間をありがとうございました!!
そして、新しい気付きを与えてくれて、ありがとうございました!!
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