3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

ランナーは汗っかきなのか。暑熱馴化と汗の量。

2018年8月3日。名古屋で最高気温40.3度を記録した。

暑い。

今年の夏は特に暑い。


通勤で最寄り駅まで歩くだけで、汗が吹き出る。


俺の書斎には、エアコンが付いていない。

このブログを書きながら、玉のような汗が吹き出ている。


そして、ふと疑問が沸き起こった。

「俺、昔からこんなに汗っかきだったっけ?」

「ランニングを続けると、汗っかきになるんじゃないか?」

と。

短期暑熱馴化と長期暑熱馴化

以前、暑熱馴化(しょねつじゅんか)について、調べてみた。
www.all-out-running.com


確かに、暑熱馴化することで、「運動中に汗を掻きやすくなる」とのことだ。

また、暑い中でランニングを継続すると、ランニングのパフォーマンスが向上することが分かっている。


が、何となく、「暑い中でランニングを継続することで、同じ運動強度で掻く汗の量は、どんどん減っていく」と思っていた。


そこで、更に調べてみた。

見つけたのは、こちらの記事だ。
参考資料1-4「暑熱順化が熱中症に及ぼす影響の整理」

環境省が、参考資料として掲載している資料だ。


これによると、暑熱馴化には、大きく2種類ある。

短期暑熱馴化

長期暑熱馴化

の2種類だ。


短期暑熱馴化は、季節の変わり目や運動により起きる馴化。

長期暑熱馴化は、熱帯暑熱環境で生活する人に起きる馴化。


短期暑熱馴化で汗っかきになる

以前俺が調べた内容は、「短期暑熱馴化」に関するものになる。

暑い中で運動負荷を継続することで、同じ運動強度での発汗量が増加し、深部体温の上昇が抑えられる。
f:id:Alloutrun:20180804140528j:plain:w350
※上記資料の図1より


また、暑熱馴化することで、汗を掻き始める体温が低くなることが分かっている。
f:id:Alloutrun:20180804140758j:plain:w350
※上記資料の図2より


季節の変わり目や、暑い中でのトレーニングで起きる短期暑熱馴化では、より汗を掻きやすくなり、運動のパフォーマンス向上の効果が得られる。


暑い今の時期でも、毎日のように走っているランナーは、しっかりと短期暑熱馴化して、より汗っかきになっているということだ。

なお、暑熱馴化すると、汗に含まれるナトリウムの濃度が低くなり、よりサラっとした水っぽい汗になる。


やはりそうか。

ランニングを真面目にやることで、汗っかきになっているんだ。

長期暑熱馴化で汗を掻きにくくなる

走るのは好きだけど、汗っかきにはなりたくない、なんて考えている美ジョガーの方もいらっしゃるだろう。

そんな方に朗報がある。

汗っかきになる短期暑熱馴化とは別に、汗を掻きにくくなる「長期暑熱馴化」がある。


長期暑熱馴化が起こる仕組みは、上記環境省の資料が分かりやすい。

発汗中枢の活動性が低下し、汗腺の感受性が低下する事で個々の汗腺の最大分泌能力も減退し、結果として最大発汗量も減退する。一方、能動汗腺数は多いため、少ない汗でも濡れる皮膚面積を大きくする事が出来る。また、皮膚血管拡張機能の亢進によって皮膚温を高く保っている。これらにより、非蒸散性熱放射(放射、伝導、対流)と汗の蒸発効率を高めることができ、少量の汗で効率よく熱放散ができる。

アッツイ地域に長期的に暮らすことで、体が順応し、汗を掻きにくくなれるのだ。


おぉ、素晴らしい。

俺も汗っかきから卒業できるかもしれない。


では、どれくらい長期間暮らすと効果が出てくるのか。

こちらのグラフを見て頂きたい。
f:id:Alloutrun:20180804142739j:plain:w500
※上記資料の図8より


熱帯地域に長く暮らせば暮らすほど、発汗量が減っていることが見て取れる。

効果が確認できるのは、年単位で暮らした場合。

しかも、5年、10年と言う単位で暮らした場合のようだ。


なるほど。

俺が汗っかきから卒業するためには、タイやマレーシアで何年か暮らせば良いんだな。


ということで、残念ながら日本に住んでいるランナーの皆さんは、汗っかきから卒業することは難しいようだ。


今日も暑い中走って、爽やかな汗、掻いてきます!!



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