冬の夜空に輝くお月様は、綺麗に見える。
キンと張りつめた冷たく透き通った空気。
その先に見えるお月様。
十五夜お月様。
中秋の名月。
月の満ち欠け。
月食。
かぐや姫。
美しいお月様には、なんだか神秘めいたものを感じてしまう。
生まれてからずーっとお月様と言えば、
「ウサギの餅つき」
だ。
それが当たり前で、何の疑問も持つ必要もない。
実は、お月様は、地球の惑星で、ほぼ球体だ。
球体には本来、表も裏もないんだけど、地球から見える面が、昔からずーっと
「ウサギの餅つき」
だから、そちらが表、見えない面が裏、ってことになっているようだ。
そして、あるとき、
「なんで月はいつも同じ面を地球に向けているのか」
って疑問が湧いてきた。
月は、地球の周りを公転している。
そして、月自身も、自転している。
なのに、なぜ、月はいつも同じ面を地球に向けているのだろう。
そのワケは、ググってもらえれば分かるのだけど、
月が地球の引力の影響を受けていることで、
自転周期と公転周期が約27.3日でほぼ同じだからだ。
微妙な揺らぎこそあれど、地球の引力の影響で、周期が変化しないようになっている。
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人類が初めて月の裏側の写真を見たのは、1959年のことだ。
ソ連が開発した無人月探索機ルナ3号によって撮影された。
www.gizmodo.jp
地球から見える「ウサギの餅つき」のような趣のある姿とは違う、殺風景なその姿。
初めてこの画像を知った時、
「へぇー」
以上の感想が出てこなかった。
月の裏側の写真を撮影したその10年後、人類は、月面に着陸することになる。
月の環境は非常に過酷なもので。
日の当たっている日中は、表面温度は摂氏100度を超え、
夜間は、摂氏マイナス180度にも達する。
大気が薄いというか、ほぼないため、宇宙からの放射線の影響をモロに受ける。
月の表面を覆う砂は「レゴリス」と呼ばれる。
レゴリスは、細かいトゲトゲが多く、肺に入ると様々な健康障害を与えて、死に至らしめることもある。
重力は、地球の1/6ほどのため、月でしばらく生活をすると、筋力の衰えが激しく、地球に戻った際に、元通りの生活に戻るためにかなりの時間を要する。
月に行けるなんてことを想像すらできなかった時代。
あの美しいお月様には、地球のように文明を持った生活を送っている不思議な未知の生物がいて。
あるいは、タコのような宇宙人がいたりして。
いずれ月面で生活できるようになったりして。
なんて、想像がムクムク膨らんでいたんだと思う。
でも、実は月は、非常に殺風景で、過酷な環境で。
月の裏側なんて、さらに殺風景で。
月に降り立ったり、月面全体の写真を撮影できたりしたことで、地球や太陽系の成り立ちについての謎の一部が解明されたのかもしれないけれど。
実際のお月様は、
人類が想像していたような、
地球から見ていたあの美しいお月様からは想像がつかないような、
ある意味、想像を超えるものだった。
自分は、宇宙飛行士になれるような器ではない。
だから、お月様のような美しく見えるものは、遠くから見てれば良いんだろうな。
頑張って努力して、宇宙飛行士になって、お月様に着陸しても、ガッカリしてしまう気がしてしまう。
自分から離れた、一見、美しく見えるものに近づいて、その実態を知ることで、ガッカリすることって、結構ある気がする。
実は、自分の周りにある山や海、草木や花にこそ、深く知ることで、本当の新しい発見があるような。
で、俺は何を言いたかったんだろうか。
そうだ。
「宇宙兄弟」
は、やっぱり面白い、ってことを言いたかったんだろうな。
さてと。
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