お時間があるようであれば、ちょっと以下の問題を一緒に考えてもらいたいと思う。
~~~~~
【問題】
あなたは、地下2階、地上5階建てのビルのオーナーです。
そのビルには、古いエレベータが1基あるが、このところ、テナントの方やお客様から、
「エレベータの待ち時間が長すぎる」
との苦情が多くて、対処が必要だと考えています。
さて、あなたならどのような対処を講じますか。
~~~~~
この先、読む前に、是非ご自身でも考えていただきたい。
この問題、「論理的思考」的な研修を受けたことがある方なら、ご存知かもしれない。
真っ先に思い付く対処法としては、
「エレベータの機能向上」
「エレベータの増設」
というところではないだろうか。
確かに、エレベータ全体の輸送能力が向上すれば、待ち時間が減り、苦情も減るかもしれない。
だが、機能向上、増設には、かなりの費用がかかりそうだ。
この問題の「正解」として、用意されている答えは、
「各フロアのエレベータ前に大きな鏡を置く」
というものだ。
苦情の本質は、
「待ち時間が長すぎること」ではなくて、
「待ち時間が長くて、イライラすること」だと。
鏡を設置することで、待ち時間の間に身だしなみを整えたりできることで、
「イライラ」
が無くなるという。
問題の本質をしっかりと掴み、その解決策を講じなければ、無意味な努力に終わることがある。
その昔、レコードの針の製造会社で、シェアがナンバーワンの企業があった。
「より良いレコードの音を奏でるための針の製造方法」
を追求し、一世を風靡していた。
だが、その会社は、CDの登場により、衰退した。
消費者が欲しかったものは、
「より良いレコードの針」
ではなくて、
「より良い音で音楽を聴くこと」
だったから。
てことで、この手の話は、良くあって。
「しっかりと今の現状を理解し、問題を定義すること」
「その問題の本質の見抜くこと」
は、非常に重要なことは間違いない。
今の自分を理解し。
ありたい姿を定義して。
そのために必要な項目を整理し。
問題を定義する。
仕事であろうが、プライベートであろうが、非常に重要なプロセスだろう。
でも、そんなに簡単にいかないのが現実だ。
「問題を定義する」
ということは、非常に難しい。
そこが、最も難しい。
周りの人も自分も納得できる問題を定義できれば、あとの解決策は、自ずと決まることが多い。
今一度、自分に問いたい。
「今、お前がしている努力は、無駄にならないか?」
「お前は、問題定義ができているのか?」
「そして、その問題の本質を見抜けているのか?」
仕事も、プライベートも。
ただ、
一生懸命に、エレベータの機能向上に取り組んだ日々や、
一心不乱に、レコードの針を磨き上げ続けた日々は、
無駄にはならないと思うんですよね。
少しずつ、前へ。
にほんブログ村