「誰かオナラしたでしょ?」
リビングのソファに座る次女のカコが言い始めた。
その周りには、三女のリコと奥さんがいた。
俺は、一人で食卓で朝飯を食べていた。
「パパでしょ?」
奥さんが言う。
おいおい。
俺、その場所からだいぶ離れてるじゃんか。
「この場所にいて、そこで臭うような強烈なオナラは、流石の俺でも出せないよ。」
俺は、すかしっ屁はしない主義だ。
「パパじゃないぞ。パパのオナラの音、しなかっただろ?」
カコは納得したようで、
「じゃぁリコでしょ?」
「リコじゃなーいっ!!」
リコは、否定する。
どうやら、リコがすかしっ屁をしたようだな。
と俺は思った。
「じゃぁ、ママ?」
カコは、どうしても誰のオナラなのかを特定したいようだ。
「ママのオナラは無臭だよ。」
と、奥さん。
「あ、そっか。」
カコは、納得したようだ。
え?
うちの娘たちの中では、「奥さんのオナラは無臭」という理解が浸透しているようだ。
さすがに無臭ではないだろ、とツッコんだが、
確かに、そんな理解をしてしまうのも無理はないかもしれない。
俺も久しく奥さんのオナラの音を聞いていない。
結局、オナラをしたのは、リコという結論に至り、リコはしばらく泣きながら、
「リコじゃなーい!」
を繰り返していた。
「リコでしょ。」
とカコは、繰り返し、追及していた。
もう、やめておけよ。思った。
その後、家族で一番臭いオナラをするのは誰なのか?
について、家族会議が開かれた。
「ママは無臭だよ。」
奥さんは繰り返していた。
俺も久しく奥さんのオナラの音を聞いていない。
ていうか、長女(中1)のオナラの音も聞いていない。
一体、いつオナラをしているのだろう。
こちらのサイトによると、1日の平均のオナラの回数は「5~6回」らしい。
やはり、大人の女性になると、オナラを人前ではしなくなるのかもしれない。
次女(小4)と三女(小1)は、たまにクッサイのをする。
お風呂の中でオナラをして、空気の塊が水面に上がってくるのを楽しんだりもしている。
「パパのオナラは、音がすごいよ!」
カコとリコが笑顔で話している。
「そりゃそうだ。男たるもの、なんでも1番を目指さないとダメなんだ。オナラの音も1番を目指す必要があるんだぞ。」
「じゃぁ、パパがオナラでは一番だよ!良かったね!」
「オナラの音がすると、『パパが2階にいるな』って分かるもん。」
カコとリコが笑っている。
どうやら、
「オナラの音 = パパがいる」
の方程式ができあがっているようだ。
「良かったね!」と、改めて言われると、なんかちょっとイラっとしたが。。。
結局、その後も家族会議が続き、一番臭いオナラをするのは、お肉が大好きな次女のカコ、という結論に至った。
カコよ。オナラの臭さでは、パパは負けたかもしれない。
でも、音の大きさでは、俺は負けないぞ。
これからも、音の大きさだけは負けない。
「俺はここにいるよ。」
と言わんばかりの、しっかりと存在感を示せるだけの大きな音のオナラを、こき続けたいと思う。
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