「jog」、「jogging」、「jogger」。
「ジョグ」、「ジョギング」、「ジョガー」。
近年では、綺麗な女性ランナーを「美ジョガー」「美女ガー」と表現したりもする。
ラン、ランニング、ランナーとどう違うのだろうか。
皆さんは、「ジョギング」というと、どんなイメージを持つだろうか。
ランニングは、日本語では「走ること」だ。
だが、「ジョギング」は、日本語では「ゆっくり走ること」という意味で、ズバリその意味を表す単語が日本語には存在していない。
そこで、今日は、「ジョグ」、「ジョギング」、「ジョガー」が言葉としてどのように発祥したのかについて調べてみた。
本日の参考文献は、
"The history of a habit: jogging as a palliative to sedentariness in 1960s America "
の2件だ。
jogの言葉の起源
「jog」という言葉の発祥は、16世紀中盤にイギリスで使われ始めたと言われているが、正確には不明だ。
「shog」という、日本語で「揺れる」を意味する言葉と関連するという説もあるようだ。
1593年にシェイクスピアが、「Taming of the Shrew」の中で、
"you may be jogging whiles your boots are green".
と記したことが残っている。
ただし、ここでは「jogging」は、「素早く揺れる」という意味で使われている。
「jog=ゆっくり走ること」の起源
「jogging」が「ゆっくり走ること」の意味として最初に使われ始めたのは、1963年のアメリカはオレゴン州、ユージーンだと言われている。
1963年、オレゴンバンクに4ページの冊子が置かれた。
タイトルは
「Joggers Manual」
だ。
その著者でもありナイキの創設者の一人でもある、William J. Bowerman(ビル・ボワーマン)が、ジョギング=ゆっくり走ることとして提唱した最初の人だと言われている。
当時、ボワーマンは、オレゴン大学の教授でありトラック競技のコーチだった。
「Joggers Manual」の中では、下記のようにフィットネスとしてゆっくり走ること(ジョギング)を勧めている。
Jogging is a bit more than a walk,
Start with a short distance then increase as you improve.
Requiring nothing more than that the jogger ‘wear a pair of comfortable shoes with thick, moderately soft soles.
また、ボワーマンは、1963年にニュージーランドに住むArthur Lydiard(主にオリンピックの中長距離選手を育成していたトラック競技のコーチ)とミーティングを行い、それをきっかけに、ニュージーランドで、Arthur Lydiardが初の「ジョガークラブ」を設立されたとされている。
※若干英語の表現が理解できなかったので、間違った情報かもしれません
そのクラブは、日曜日に楽しく走ることを目的に老若男女が集まるクラブで、「Auckland Joggers Club」と称され、「Jogger」という言葉が「ゆっくり走ること」として使われた最初のタイミングだとされている。
このことは、地元の新聞記事にも取り上げられていた。
Eugene Register-Guard - Google News Archive Search
まとめ
その後、ボワーマンは、健康に良いジョギングについて、様々な実験を繰り返す。
ジョギングを習慣化することで、心肺機能の向上、慢性的な血管の病気の予防などに効果があることを実験を通して訴えていき、多くの人々にジョギングがエクササイズとして取り入れられるようになった。
日本語には、「jog」を表現する、そのものズバリの単語が存在しない。
よって、「jog=ジョグ」なのだ。
「ちょっとジョグって来るわ。」
「ジョグノートに残さなきゃ。」
「あの人、美ジョガーだなぁ。」
なんて感じで普通に使われている「ジョグ」という言葉。
それは、オレゴン大学の方で、ナイキの創設者の一人、ビル・ボワーマン氏が初っ端に言い始めた言葉。
オレゴンのユージーンという街は、ジョギング発祥の街であり、今でも「トラックタウン」として多くの有名ランナーを生み出している。
一人のランナーとして、ユージーンには一度は訪れてみたいと思った。
※上記論文のFigure.3より「オレゴン大学のトラックを走るジョガー達 1963年」
いつもありがとうございます!応援のポチをお願い致します!
にほんブログ村