2019年3月17日。
2019板橋Cityマラソンのコースの河川敷から土手に上がる階段に、俺は座っていた。
板橋Cityマラソンの30.5km地点だった。
3時間20分くらいでゴールできそうなペースで巡航していたが、
25km過ぎで、左足のハムストリングスに攣ってしまいそうな感覚を持ち、
ハムをマッサージしながら、しばらく歩いた。
その後、走り出すも、足の筋肉全体が凝り固まっている感じで、
スピードを上げると、攣ってしまう感じだ。
そして、左足をかばって走っていると、30.5km地点で、右足のハムストリングスとふくらはぎが攣った。
右足全体が「ばいーん」って感じになっていて、
河川敷の階段の手すりにつかまり、ストレッチをするも、歩けもしない状況。
階段に腰掛け、目の前を進む多くのランナーを横目に、しばらくたたずんだ。
「俺の2019板橋Cityマラソン、終了」
肩を落として、下を向く。
買ったばかりのサングラスに涙が落ちた。
- スタート前
- スタートから5km
- 5kmから10km
- 10kmから15km
- 15kmから20km
- 20kmから25km
- 25kmから30km 「嫌な予感」
- 30kmから35km 「停止」
- 35kmから40km 「少し復活」
- 40kmからゴールまで 「ラスト」
- ペースグラフと5kmラップ
- 最後に
スタート前
親じ会のメンバーと、サブ4を目標にしているカナ先生、カナ先生のペーサーとして参加のびあーさん、えいさんと談笑しリラックス。
風が少なく、晴天。
少し暑いくらいだった。
俺の目標は、「3時間15分カット」。
キロ4分37秒ペースで巡航。
論文で読んだように、自己催眠をかける。
「俺は強い。俺は速い。」
「437はジョグ。437はジョグ。」
スタートのDブロックに並び、スタートを待つ。
やる気は十分だった。
スタートから5km
Dブロックスタートで、スタートラインまでは、2分47秒。
荒川の河川敷を走る板橋Cityマラソンのコースは、あまり広くはない。
スタートから数kmは、自分のペースで走れないもどかしさがあった。
えびちゃんの応援
スタートから3km付近で、えびちゃんを発見！！
「全力さん Kana先生 頑張れ」
と書かれた横断幕を持って、笑顔で高台に立っていた。
えびちゃんは、フル2時間50分程度で走り、度々マラソンブログに登場するものの、ノンブロガーであり、ツイッターもやっていない。
「どんな人なんだろう？」と疑問を持っている人も多いと思う。
こちらが、えびちゃんだ。
足立フレンドリーマラソンで、ちみのすけさんに敗れて、悔しがるえびちゃん。
「えびちゃーーんっ！！」
「あ！全力さん、頑張ってくださいっ！！！！」
スタート直後、めっちゃ元気をいただいた。
【5kmラップ】
24分23秒（キロ4分53秒）
5kmから10km
前方に、はりゆうさんを発見。
3時間20分を切るくらいを目指しているとのことで、しばし並走。
ときおりキロ4分30秒ペースが出る。
このペース、俺には速すぎるなと思い、徐々にはりゆうさんに離される。
【5kmラップ】
23分31秒（キロ4分42秒）
10kmから15km
まわりのランナーもほぼ同じくらいのスピードになる。
左からの風がたまに強く吹くが、それほど気にはならない。
ジョグ感覚で走れるスピードを維持する。
まっつんさんとzunzumanの応援
このあたりで、まっつんさんとzunzumanさんを発見。
「まっつんさーん！」
「あ、全力さん、くぁｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ！！」
なんて言っていたのか分からなかったが、嬉しかった。
ちなみに、「zunzuman」さんは、「ずんずまん」であり、「ずんずんまん」ではない。
大仏のこめきちさんの応援
K's電気付近で、大仏の被り物をしているこめきちさんを発見したが、こめきちさんが俺のことを知っているか不安があったため、スルーした。笑
【5kmラップ】
23分43秒（キロ4分44秒）
15kmから20km
とにかくジョグ。
しっかりジョグ。
それだけを肝に銘じて、ひたすら走る。
さぁ、そろそろ折り返しだ。
【5kmラップ】
23分43秒（キロ4分44秒）
20kmから25km
折り返し付近では、キミ兄さんご一行が応援してくださっていることを知っていた。
25kmから30km 「嫌な予感」
25kmを過ぎても、まったく問題なくジョグができていた。
ところが、27km手前あたりで、左足のハムストリングスに攣りそうな前兆を感じた。
これはやばいかも、と思い、スピードを緩めてコースわきを少し歩いた。
焦る。
30秒ほど歩き、再度走る。
だが、スピードを上げようとすると、ピクピクし始める。
左足をかばい、変な走り方になっていることが分かる。
ラップは
27km：5分46秒
まずいぞ、これは。
見知らぬランナー パート1
このあたりで、見知らぬランナーから声をかけられた。
「全力さんですよね。いつもブログ読んでます！」
ショボい走りをしているときに話しかけられて、恥ずかしかった。
「あ、ありがとうございます！でも3時間15分は、難しそうです。。」
「何を言ってるんですか！頑張りましょう！全力で！！」
見知らぬランナー様、ありがとう。
足はピキピキの状態だったけど、気合が入りました！
その気合で少しスピードを上げる。
28km：5分21秒
29km：5分18秒
だが、ピキピキは限界に達する寸前だった。
【5kmラップ】
32分22秒（キロ6分28秒）
30kmから35km 「停止」
そして、30.5km。
ついにその時が来た。
左足をかばって、変な走り方になっていたためか、右足のハムストリングスとふくらはぎが、一気に攣った。
周りのランナーにも聞こえたと思う。
「ばいーーんっっ！！」
って音が出てたよ。
俺の右足から。
丁度いいところに、土手にあがる階段があり、そこの手すりに捕まりストレッチをした。
まったく走れる状況ではなかった。
しばし座って休んだ。
次から次への俺の前を駆け抜けるランナーたち。
下を向き、地面に垂れる汗を見る。
サングラスに涙が落ちる。
「俺の板橋Cityマラソンは終わったな。」
「この足で12kmも移動できないや。」
スマホを取り出し、ツイートしてみる。
N。さんは即座にツッコミを入れて下さっていたようだ。
5分ほど座っていただろうか。
とりあえず、給水のポイントまで行こう。
そう思い、歩き出す。
次の給水ポイントまでは、2.5kmほどあった。
少し走ると、再度「ばいーんっっ！！」ってなる。
この2.5kmが最も辛かった。
まじで長かった。
走る → 「ばいーーんっっ！！」 → 着席
走る → 「ばいーーんっっ！！」 → 着席
を繰り返しながら、33km地点の給水ポイントに到着。
そこで、乾燥梅肉をいっぱい食べた。
走る → 「ばいーんっ！」 → 歩行
走る → 「ばいーんっ！」 → 歩行
くらいにまでは回復。
DNFはしない。
完走はする。
そう心に決めて、移動し始める。
このとき、サブ3ランナーかんくろーさんの先日の静岡マラソンでのタイム4時間44分48秒が、頭をよぎった。
大仏のこめきちさん パート2
このあたりで、K's電気付近に、大仏のこめきちさんがいらっしゃったが、あまりの不甲斐ない自分に、気づかないフリをして、しれーっと通り過ぎた。笑
できれば見つかって欲しくなかったけど、こめきちさんは気付いていたのだろうか。。。
【5kmラップ】
39分50秒（キロ7分58秒）
35kmから40km 「少し復活」
相変わらず足は痛い。
が、少しずつ走れるようになってきた。
乾燥梅肉が効いた気がする。
見知らぬランナー パート2
この頃、新たな見知らぬランナーから声をかけていただいた。
「全力さんですよね？いつもブログ拝見しています！」
「僕、全力さんのブログを読んで、走り始めたんです！」
「お会いできて、すごく嬉しいです！！」
「ありがとうございます。足攣っちゃって、もうダメダメです。。。」
「全力で頑張ってください！！」
ブログという媒体を通じて、俺のことを知って下さった方々が、応援して下さる喜び。
見知らぬランナー様、本当にありがとうございます！
イケメンマダムキラーとの再会
そして、背中をポーンと叩かれた。
「おう、ウッディー」
親じ会の「イケメンマダムキラー」だった。
俺は、親じ会の中では、「ウッディー」と呼ばれている。
イケメンのベストは3時間36分だが、最近ずっと腰をやられており、今回はサブ4狙いだった。
あれ？ちょっと待てよ。
カナ先生はサブ4を狙って走っているはず。
このままのペースでは、カナ先生に追いつかれてしまうじゃないか。
もしカナ先生に抜かれたとなったら、一生言われ続けてしまうじゃないか。
そう思ったら、力が湧いてきた。
イケメンマダムキラーに必死についていく。
この頃、「ばいーん」からは解放されつつあり、キロ5からキロ6程度では走れるようになってきていた。
このペースでも、必死の全力だった。
「いつまた攣るのか」という恐怖と隣り合わせの状態だった。
ド派手な応援団
39km地点。
沿道には派手なコスチュームの応援団がいた。
「全力さーん！！！」
ん？
どなた？？
ガンプよしおさんらしき人を見つける。
そして、hassyさんが、えびちゃんが持っていた横断幕を持っていらっしゃった。
「ほら、全力全力！！！」
「風よけ使って走れっ！！！」
お、おう。
今、無風だけどな。
こちらには、ハッシーさん、ガンプよしおさん、イツカさん、しらなみさん、ヒデさんがいらっしゃった。
※ヒデさんが、どの「ひでさん」なのか分からず、リンクできませんでした。。。
ガンプさん以外は、お会いしてお話したことはないのに、こんなにも応援して下さるとは。
こんなショボい走りしかできないけど。。。
そんな恥ずかしさとともに嬉しさがこみ上げる。
みなさん、本当にありがとう。
【5kmラップ】
29分41秒（キロ5分56秒）
40kmからゴールまで 「ラスト」
ラスト2km。
今のすべてを出し切る。
出し切る走りをしていたところ、再度「ばいーーんっっ！！」。
歩く。
揉む。
早歩き。
後ろから迫りくるカナ先生の気配を感じながら、早歩き。
イケメンマダムキラーと抜きつ抜かれつ。
残り500m。
すべてを出しきるダッシュ。
キロ4分30秒ペース。
足を攣ってから、永遠に終わらないと感じられた12kmの移動も終了。
長く苦しい旅が終わった。
ネット3時間54分58秒。
【2.195kmラップ】
13分38秒（キロ6分13秒）
ペースグラフと5kmラップ
こちらが、ペースグラフと心拍数グラフ。
後半のキツさが、心拍数にあらわれている。
5kmごとのラップ。
途中までは、ほぼほぼ想定通りのペースだったが、足を攣ってからは、地獄の移動。
なんとかサブ4を死守。
最後に
目標3時間15分カットに対して、結果は3時間54分58秒。
足攣りが直接の原因だったとは言え、すべては準備不足。
マラソンは、準備のスポーツ。
レースでは、「そっと置きに行くだけ」。
今回は、そっと置きに行けるほど、練習ができていなかったということ。
そんな自分を、応援して下さった皆さま。
同じレースを走り、また沿道で応援して下さった皆さま。
楽しい時間を本当にありがとうございました！
次は、ハッピーな結果をご報告できるよう、しっかり準備しますっ！！
あ、カナ先生は、無事にサブ4を達成されていました。
本当におめでとうございます！
本当におめでとう！！
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