その報告は突然だった。
俺は、授業参観で長女と次女が通う小学校で、長女が受けている道徳の授業を見学していた。
授業が終わり、休み時間に入り、ぼーっと生徒たちの習字を眺めていたところ、
「私、国際平和スピーチコンテスト、学校の代表になったよ!」
と長女。
「え??」
長女はものすごく喜んでいる。
長女の周りを数名の女の子の友達が囲んで、祝福してくれている。
確かに、ここ数日、俺が帰宅すると、何やら自分の書いた文章を熱心に音読している長女がいた。
「平和」についての長女の意見が綴られていた。
3分以内に読まないといけないと言って、タイマーを使って何度も何度も音読していた。
おぉ、あれのことだな。
「すごいじゃないか!おめでとう!」
頭をポンポンと二つたたく。
聞くところによると、数日前に、学校の5年生と6年生の前で、小学校代表候補の10名ほどがそれぞれのスピーチを行ったらしい。
5年生と6年生は、どのスピーチが良かったか投票をし、最終的には先生方の判断が入った上で、長女が学校代表に選ばれたようだ。
「ニューヨークに行けるかもしれないんだよ!」
と長女の友達が言う。
「は?」
そして、休み時間の最中に、担任の先生から簡単な説明を受ける。
・長女が、小学校の代表に選ばれた
・小学校の代表は長女一人
・6月22日(金)に国際平和スピーチコンテストの港南区代表を決める大会がある
・保護者は聴講可能
ということだ。
ニューヨークについての説明はない。
「国際平和スピーチコンテスト」
一体どのようなコンテストなのか、調べてみた。
■よこはま子ども国際平和スピーチコンテスト
今年度の国際平和スピーチコンテストについての情報は、ググってみたが、全くヒットせず。
2年前の横浜市の記者発表資料を参考に、まとめてみる。
主催は、どうやら「ユニセフ」と「横浜市教育委員会」。
国際平和スピーチコンテストは、毎年テーマが少々変わるようではあるが、基本的には「平和」をテーマとしたスピーチのコンテストだ。
参加資格を持っているのは、小学校6年生と中学校3年生。
おおまかな流れとしては、
1.横浜市の各小学校中学校で代表1名を選出。選出された生徒は、各区の代表選抜大会に出場する
↓
2.各区にて、小学校および中学校の各区の代表を選出する。選出された生徒は、本選に出場する
↓
3.各区の代表小学生18名、中学生18名がよこはま子ども国際平和スピーチコンテストに出場
↓
4.参加者36名は、「子ども実行委員」になる
↓
5.コンテストの結果、「市長賞」に選ばれた小学生2名、中学生2名が「ピースメッセンジャー」になる
図にすると、このようになる。
うちの長女は、おおまかな流れ「1」の段階まで進んだということだ。
「2」の各区の代表選出の大会が、2018年6月22日(金)に開催されるとのこと。
ピースメッセンジャーに選出されると、2年前の実績では、
・ユニセフ東京事務所、公益財団法人日本ユニセフ協会訪問【10月上旬】
・ニューヨーク国際連合本部、ユニセフ本部、国連国際学校訪問等【10月下旬】
・横浜市立学校総合文化祭文化交流会での活動報告(西公会堂)【12月中旬】
と10月下旬にニューヨークに訪問することになるようだ。
本選に出場した36名は「子ども実行委員」となり、
・「ピースメッセージ」及び「平和募金ポスター」の作成
・ユニセフハウス施設見学
・ユニセフ ハンド・イン・ハンド街頭募金活動
を行うことになる。
うちの長女は、小学校の代表に選ばれたものの、
港南区の代表に選ばれる→約5.2%
本選でピースメッセンジャーに選ばれる→約11%
2つの確率をかけると、約0.5%の確率でピースメッセンジャーとなりニューヨークに行けることになる。
■長女のスピーチを聴いてみた
「ねぇ、パパ、スピーチやるから聴いててね!」
その晩、長女は嬉しそうに平和についてのスピーチをし始める。
「『平和』。平和になるということはどういうことなのだろう。みなさんは平和について考えたことがありますか。」
初っ端から俺の心を掴んでくれる。
その後も、堂々とスピーチして、自分の意見をはっきりと述べている長女。
身近な人に対する思いやりの心を持つことが、未来の平和につながるという、何とも考えさせられる内容。
「パパ、どうだった??」
笑顔で俺に聞いてくる長女。
何も言うことはないよ。
パパが6年生のときは、青っ鼻をシャツで拭いていたような感じだったしな。
そして、俺の書くブログよりも、よっぽどメッセージが込められているよ。
なんだろうな、この感覚。
過去の俺なんかよりよっぽどすげーよ。
なんなら、今の俺よりもよっぽど文章うめーよ。
いつの間にそんなにいっちょ前のこと言えるようになったんだよ。
得も言われぬ感覚とともに、目頭が熱くなる。
ありがとう。
今日も美味しいビールが飲めるよ。
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