3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

ファイテンパワーテープの効果について調べてみた結果、なんか怪しいな。

俺がアキレス腱の故障に悩んでいるとき、藁にもすがるつもりで、これを買ってみた。
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ファイテン パワーテープX30
www.phiten-store.com


ランナーの方なら、知っている方もいるかと思う。

首回りやら脚やら背中やら、このシールを貼りまくっているランナーは多い。



このシールを貼り、1週間ほどランオフして、その後もジョグの強度を下げて、今では痛みはほとんどない。

ただし、ただこのテープを貼っていただけではなく、他にもアキレス腱の故障に良さそうなことは様々トライしていた。


パワーテープX30を150枚買ったので、今でもほぼ毎日アキレス腱周辺にはパワーテープを貼っている。
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で、ふと沸いてきた疑問。


「ファイテンのパワーテープは、本当に痛みの緩和などに効果があるのか」

「それはどのような生体作用なのか」


俺は元研究者だ。


疑問に持ったら、しっかり調べる。


ここでは、ファイテンについて調べたことをまとめてみたいと思う。

公式HP上での効果の記載

まずは、ファイテン公式ホームページ上にて、パワーテープの効果がどのように記載されているのか調べてみた。

パワーテープX30 50マーク入 | ファイテン公式通販サイト【ファイテンオフィシャルストア】


ピンポイントにパワーを集中したい方に
指で押して気持ちいいところ、痛いところにピタっと貼るだけ。
手軽で使いやすい丸シールタイプのボディケアテープです。
生地にアクアチタンを通常の約30倍濃度で採用。
さらに粘着面にはミクロチタンボール採用し、気になるところに強力アプローチ。


効果については、一切記載がない。

敢えて書いていると言えるのは、

「ボディケア」

という言葉くらいだろうか。


痛みを軽減する「鎮痛剤」や、炎症を軽減する「消炎剤」とは、全く別物と考えてよいだろう。


効果については、「お客様の声」の中で語られているものが掲載されている。

あくまで、効果については、ファイテンは責任ある発言はしておらず、

「お客様が効果があると言っているよ」

と伝えているだけだ。


※ただし、この点は薬事法に関連して、効果を明言できない可能性もあります。


研究論文

では、研究論文はどうだろう。


パワーテープは、

チタンをナノレベルで水の中に分散させる水溶化メタル技術により作った「アクアチタン」

が特徴の商品だ。


この「アクアチタン」が効果を出す要因だと言う論文がいくつかある。


中でも、日本語のこちらの総説は、読みやすく非常にまとまっている。

"独自の加工を施したチタンが生体システムに及ぼす効果:健康と運動能力に対する影響"


細かくはこちらの文献を読んで頂きたいが、

「アクアチタンは健康と運動能力の増進に関するさまざまな可能性を有する」

と結論付けている。


ただし、

効果についての記載は、「示唆される」とか「可能性がある」など、あいまいな言及にとどまっている。

また、

生体に作用する機序については、「不明」、「明らかではない」と記載されている。


つまり上記の文献で引用されている多くの論文をまとめると、

「現象として効果があるような実験結果だった」

「その生体的機序は、不明」

ということだ。


そして、「効果がある」と発表している論文について、すべて目を通したわけではないが、

俺が出会った論文すべてで、「ファイテンからの研究助成金で研究を行った」と記載がある。


上記の紹介した文献の謝辞にも、

「研究資金の支援をファイテン株式会社(日本、京都市)から受けた。」

との記載がある。


効果を謳う論文の多くが、ファイテンから資金をもらって行った研究。


そりゃ、お金を頂いてる手前、効果がないとは書きにくいよね。

いや、研究者たる者、お金の出どころは関係なく、真実だけを追求しているのだと信じているが。


資金のことは置いておくと、上記の文献の結論としては、

「なぜそうなるかは不明だが、良い効果が出る可能性がある」

ということだ。


アクアメタル研究会について

「アクアチタン」について論文を調べていると、一つの研究会にたどり着いた。

アクアメタル研究会だ。
aquametal.jp


2008年頃から2013年頃までの約5年間は、シンポジウムなども開催し活発に活動していたようだ。


だがいわゆる「研究会」とは、ホームページの作りや研究者の紹介など、なんだか雰囲気が違うと感じた。


そして、アクアチタンの効果について言及している論文の発表者が、このアクアメタル研究会のメンバーであることが分かった。


すなわち、ファイテンから出ているお金で研究しているメンバーが、このアクアメタル研究会のメンバーであるということだ。

研究会の代表「吉川 敏一」さん

アクアメタル研究会の代表者は、吉川 敏一さんという、元京都府立医科大学の学長だ。
研究会の趣旨|アクアメタル研究会


吉川 敏一さんについて調べてみところ、こんな記事を見つけた。
www.weekly-economist.com


有罪判決が出た暴力団組長の刑の執行を巡り、その組長の診断を行ったのが京都府立医科大学であり、虚偽の診断書を作った疑いがあるとのことで調査のメスが入ったことについての記事だ。

その中に気になる記載があった。

吉川学長は、先斗町や祇園の花街に政財界の有力者とよく出入りし、これまでも「医療よりも政財界の付き合いを重視する経営者」との声が医療界で強かった。


なんだか、もうお金の臭いしかしない。

事務局の「株式会社 ブレーンネット」

いわゆる研究会の事務局は、学会の関係者、すなわち大学関係者が行っていることが多いと思う。

だが、アクアメタル研究会の事務局は、一般企業、「株式会社 ブレーンネット」という京都の企業だ。
事務局の紹介|アクアメタル研究会


この「株式会社 ブレーンネット」の過去の業務についての紹介ページには、ファイテンのマーケティングを行っていたことが書かれている。
プランニング実績ー京都・東京のデザイン制作会社 ブレーンネット

ファイテン 株式会社
タッチポイントを創出し、各店舗における販売システムの構築

全国に167店舗を展開する各ファイテンショップで定期的に「体験会」「セミナー」を実施し、タッチポイントを創出。
そのタッチポイントから次の施策へつなぎ、販売へと結びつける


結局、アクアメタル研究会自体、ファイテンからのお金で運営されており、マーケティングの一環として行われていたということなのだろう。

詳細は不明だが、俺が調べた限りでは、俺はそう感じた。

まとめ

アキレス腱の故障により、藁にも縋る思いで購入した、

ファイテンのパワーテープ。


その効果を調べてみると、なにやら効果はありそうな実験結果は出ているが、生体的機序は不明。

公式ホームページでは、ファイテンが責任を持った形では効果に関する記載はない。

効果があると言及している論文の多くは、ファイテンから研究資金をもらっている。

アクアメタル研究会という、ファイテンの資金で作られた研究会。

その代表の不祥事。



横浜マラソンを終えて、右膝痛がひどいので、ファイテンのシールを貼っている。

これは、本当に効いているのだろうか。


俺には良く分からない。


風邪をひいたときに飲む抗生剤。

これは、本当に風邪に効いているのだろうか。


俺には良く分からない。



資本主義のこの世の中。

すべてはマーケティングの戦略がうまければ、売れてしまう。

世の中、そんなもんだ。


どんなに良いものだって、マーケティングに失敗すれば、売れないこともある。

逆に大した商品ではなかったとしても、マーケティングがうまくいけば、売れることもある。


ファイテンのパワーテープに本当に効果はあるのか。

それは、

「信じるも信じないも、あなたしだい」

ってやつなのかもしれない。



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