俺の相棒、Garmin ForeAthlete 935とは、常に一緒に過ごしている。
そのため、相棒は俺の「安静時心拍数」を毎日計測してくれている。
ちまたの噂では、マラソンランナーなどの安静時心拍数は非常に低く、鍛え上げられた心臓の事を「スポーツ心臓(Athlete's Heart)」と呼ぶらしい。
今日は、この「安静時心拍数」、「スポーツ心臓」について調べてみたので紹介しようと思う。
■スポーツ心臓とは
Wikipediaによると、
スポーツ心臓(スポーツしんぞう)、あるいはスポーツ心臓症候群とは、スポーツ選手に見られる心拡大と、それによる安静時心拍数の低下といった一過性変化を指す[1]。いずれも日常の運動が少ない人では心疾患とみなされるが、スポーツ選手では強度の運動に耐えるための適応とみなされ、取り立てて治療は必要ない[2]。スポーツをする人すべてに見られる症状ではなく、特にマラソンなどの長距離走、自転車、クロスカントリースキーなどの運動種目など持久力を必要とするものに多く見られる。
また、こちらの論文から再掲の心臓の画像を見ると、確かにアスリートの心臓は一般人と比較して大きい。
特に左心室(全身に血を巡らすポンプの部分)の肥大化が起こるらしい。
ポンプの力が強くなり、1回の拍動で送り出せる血液の量が多くなり、安静時心拍数が低くなるということだ。
Veterinary Sciences | Free Full-Text | Exercise-Induced Cardiac Remodeling: Lessons from Humans, Horses, and Dogs | HTML
では、相棒に安静時心拍数が「46」と言われた俺は、スポーツ心臓なのだろうか。
■年齢別の安静時心拍数
「Ahlete’s Heart」でググると、年齢ごとの安静時心拍数(Resting Heart Rate)の目安が表になっているものが見つかる。
「Resting Heart Rate Chart」
などと呼ばれているようだ。
かなり調べてみたが、これらの数字の根拠や出展元が不明。
信頼に足るものなのかどうかが分からなかった。
が、40歳で安静時心拍数が46の俺は、「Athelete」の枠をブッコ抜いて、スーパーアスリートに分類されてしまいそうだ。
根拠レスの可能性もある表ではあるが、気分は悪くない。
根拠がしっかりしたものを調べてみた。
アメリカのCDCが報告したレポートで、なんと6万人以上の心拍数データを集めたものだ。
"Resting Pulse Rate Reference Data for Children, Adolescents, and Adults: United States, 1999–2008"
男性の年齢別、安静時心拍数のグラフ。
40歳で安静時心拍数が46の俺は、このグラフでも上位5%よりも低い。
というか、全年代でも46は、異常な数字に見える。
スポーツ心臓を通り越して、病気の疑いまで出てくるな。
■安静時心拍数の測定方法
すると、この報告書に安静時心拍数の測定方法が書かれていた。
The participant’s pulse was taken by physical examination in the seated position after he or she had been seated and resting quietly for approximately 4 minutes.
椅子に座り4分程度安静にした後、医師により測定された。
俺の相棒Garmin ForeAthlete 935が、どのように安静時心拍数を測定(計算)しているのかは不明だ。
俺の相棒の示した数値「46」が、「一般的に言われている安静時心拍数の測定方法で測られたものではない」可能性がある。
なので、測ってみた。
4分程度安静にして、相棒の示す心拍数を見る。
52~54程度をウロウロする。
統計学的に正常な範囲には入っていそうだ。
53だとしても、俺の安静時心拍数は低い方だと言えそうだ。
※日常的に運動をしていないのに、安静時心拍数が極端に低い場合は、病気の可能性があるようなので、医師の診断をお勧めします。
■安静時心拍数から分かること
こちらの講義資料。
「安静時心拍数と予後の関係」
複数の論文をサマライズしており、非常に分かりやすい。
こちらでも、年代別の安静時心拍数が紹介されている。
こちらの資料からの一節。非常に興味深い。
哺乳動物の寿命は心臓が約 7億回前後拍動できるようにプログラムされているかのような印象を受ける.
心臓は疲れない筋肉とも言われているが、拍動する回数に上限があるかもしれない。
そして、安静時心拍数と病気の関係について、様々な記述がある。
その中でも俺がビビったのは、こちらのグラフ。
安静時心拍数が上がるにつれて、突然死の確率が上がるということを示すグラフだ。
また、以下の記述。
心拍数≥ 94拍 /分の群の全死亡率は,心拍数 56〜 60拍 /分の群の 2.7倍に達した(p≤ 0.01).
普段から運動をして、安静時心拍数を低くする方が、長生きできそうだということが分かる。
そのほかにも、日々のストレスや疲れ、飲酒や喫煙なども安静時心拍数を増加させる要因となるようだ。
Garminの測定する安静時心拍数は、一般的な測定方法と比較すると低めに測定されていそうではあるが、毎日の推移をチェックして、自分の健康状態を確認するには良いツールだろう。
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