3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

マラソンのタイムと気温の関係と計算ツール。

暑い季節になると、ランニングのパフォーマンスが下がる。

ランナーの方であれば、身を持って感じていることだと思う。

そこで調べてみた。

気温が何度の時に最高のパフォーマンスを発揮できるのか。
また、暑くなるとランニングペースがどの程度下がるのか。

このエントリーの最後に、計算できるツールを置いたので、活用いただきたい。

ちなみに、過去に調べた「ランニング時の気温と心拍数の関係」についても合わせて読んでいただきたい。

今回参考にしたのは、こちらの論文。
"Impact of Environmental Parameters on Marathon Running Performance"


World Marathon Majorsの6つの大会、Berlin, Boston, Chicago, London, New York, Parisの2001年から2010年までの全60のマラソンレースに出場した179万人の結果からまとめた報告だ。


例えば、
2002年のシカゴマラソンは気温5.4度。
2007年のシカゴマラソンは気温25度。

それぞれの大会のゴールタイムの分布がこちら。
気温が高かった2007年の大会では、全体的にゴールタイムが遅くなっていることが分かる。
f:id:Alloutrun:20180423211531j:plain
※上記論文のFig.2より引用


論文内では、気温以外にも湿度、高度、オゾン量など様々な環境のパラメータとゴールタイムについて分析している。
その中で、気温が最もゴールタイムに大きく影響を与えていることが分かった。


また、
上位1%
上位25%
中間25%‐75%
下位25%
のそれぞれのグループの、男女別の気温とパフォーマンス(スピードの落ち込み)の表が報告されている。

f:id:Alloutrun:20180423212641j:plain
※上記論文のTable S3より再構成


これを見ると、マラソンは気温3.8度から9.9度の間が最もタイムが良いことが分かる。

また、上位のエリートランナーの方が、そして、男性よりも女性の方が、気温の影響を受けにくいことが分かる。


この表から、気温とパフォーマンスの落ち込みについて、中間グループのデータを独自に2次関数で近似してみた。
ここからは、論文の内容を元に、俺が適切と考えた近似式の話になる。


気温をT度としたとき、

男性
Speed loss = 0.043795*T^2 -0.53859*T + 1.364081

女性
Speed loss = 0.030776*T^2 -0.41088*T + 1.222651

となる。


例えば、計算式にあてはめると、

・男性
・気温 20度
・目標ペース 300秒/km
の場合、

Speed lossは、8.11%
補正目標ペースは、324秒/km

と、冬場であれば目標ペース300秒/kmで走れると思っている場合、気温が20度くらいなら、324秒/kmペース程度に補正した方が無難だということになる。


ということで、以下にツールを用意してみた。

■気温から目標ペースを補正してマラソンタイムを予想するツール

性別にチェックを入れてください。
目標ペースは、「秒/1km」で入力してください。
 ※例: キロ5分ペースの場合、「300」秒/km。
性別、目標ペース、気温を入力したら「Calculate」ボタンを押してください。

気温で補正された目標ペースとフルマラソンの完走タイムが計算されます。

目標ペースは、暑い日の練習ペースの参考にもなると思います。

男性
女性

秒/km 
度 


補正目標ペース
秒/km

補正マラソン完走タイム
時間


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