俺は、福井にある父の実家に帰省するのが大好きだった。
特に、おじいちゃんに会えるのがすごく楽しみだった。
福井に帰省するのは、夏休みのお盆の時期。
福井に住んでいる従兄弟たちと一緒に遊べるのも楽しみだった。
おじいちゃんは、八百屋をやっていて、店番を任せてもらったり、一緒に朝市に軽トラックの荷台に乗ってでかけたり。
福井の綺麗な海で海水浴を楽しんだり。
今訪れると狭いと感じる庭、子どもの頃はすごく広く感じた庭で、花火をしたり。
おじいちゃんの家には、小さな黒板があった。
その黒板に、漢字を書いて、その成り立ちを教えてくれたり、ことわざを教えてくれたり。
いつも白いTシャツにステテコ。
昼から日本酒を飲んで、夕方には寝床に就いていた。
そんな、俺の大好きなおじいちゃんは、俺が高校2年生の時に68歳という若さで亡くなった。
すごく寂しかった。
「男なら、親が死んだ時しか泣いちゃダメだ」
というのが口癖だった父が、号泣しているのを見て、どっと涙があふれた。
*****
俺に対してすごく厳しい父は、福井に帰省したときも同様に俺には厳しかった。
「お前は遊んでる場合なのか?ちゃんと勉強しろ」と。
従兄弟たちと弟が遊んでいる中、俺は、台所付近の踊り場で、ひとり参考書や問題集を広げていた。
形だけ勉強していた。
記憶はあいまいだが、そんなひとりで勉強していたふりをした後、おじいちゃんに、ごちてみた。
「おじいちゃん、人生、いつまで努力すればいいの?」
と。
「今が一番努力しなきゃいけないときなんだよ。」
みたいな回答を期待していたのかな。
おじいちゃんから返ってきた答えは、
「人生、死ぬまで努力し続けるんだよ。」
この言葉がおじいちゃんの口から出てきたとき、おじいちゃんの目は、いつもの優しい目とは違っていた。
すごく真剣な目だった。
だからこそ、今でもすごく心に残っている。
*****
仕事にしても、家族のことにしても、もしかしたら趣味のランのことも、
「俺はいつまで頑張れば良いんだろう」
って思うことがある。
でも、たぶん、その答えは、
「死ぬまでだよ」
ってことなんだろうな。
終わりなき旅。
でも、終わりなき旅にも、ところどころ、休憩ポイントはあるよね。
俺、ちょっと疲れました。
ちなみに、明後日、横浜マラソンでフルマラソンを走るんだけどね。。。
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