木曜日。
今にも雨が降り出しそうな重苦しい雲。
気温が低く、季節が戻ったかのような凍える寒さ。
この日、楓子を病院に連れていくため、会社を休ませて頂いた。
先週の土曜日の朝から発熱し、日曜日の朝5時に激しく嘔吐した楓子。
嘔吐後、立つことができなくなり、
「再発」
という言葉が脳裏をよぎった。
「なんで楓子ばっかり、なんでうちばっかり、こんなにも苦しい思いをしなくちゃいけないんだ」
そう思い、奥さんと二人で、ため息ばかりついていた。
日曜日に緊急外来で病院に行き、月曜日に精密検査。
経過観察となって、木曜日に再診することになったのだ。
土曜日の発熱以降、生きた心地がしない毎日を過ごしながらも、ご先祖様のお墓のある福井の方角に向かって手を合わせ、友人や親せきから頂いたお守りに手を合わせ。
そんな中でも自分は、走り続けていた。
自分だけ趣味に時間を使うことに対して、家族に申し訳ないと思いながら。
でも、自分の心を保つために。
少しでも良いから、昨日の自分を越えるために。
5月17日の日曜日は、
病院に行く前に、「ゆっくり7km」。
5月18日の月曜日は、
仕事終わりに、「少し速めの5km」。
5月19日の火曜日は、
「速めの5km」と「ゆっくりの3km」。
5月20日の水曜日は、
仕事終わりに、「ゆっくり8km」。
そして、5月21日の木曜日。
やっと、やっと、10km、1時間、走れた。
10km以上走ったのは、2月29日以来。
1時間以上連続で走ったのは、2月2日の神奈川マラソン以来。
走っている最中、軒先で遊ぶ、男の子の兄弟に、
「あ!また来た!」
「何周走るの?」
「今何周目?」
と声を掛けられ。
「30周くらい走るよ!今、12周目!」
と応えたり。
その兄弟に、水風船で攻撃されたり、道路に水を撒かれたりして、
「あぁ、ころんでくれなかったよ。」
とか、俺をおとしいれようとされたり。
3歳くらいの女の子が、
「こんにちはっ!!」
と大きな声で挨拶してくれたり。
久々の1時間のジョギングは、ご近所の元気なお子さんたちと戯れながら、元気をいただけた。
その後、病院へ行き、検査して、楓子の診察をしていただいた。
日曜日に7.0を超えるCRP(血液の炎症反応の数値)だった数値は、0.7まで下がっていて。
退院時には、まだいくらか炎症が残っていたMRIで見た小脳の炎症は、今日、全くなくなっていた。
診察の後、無言で楓子をギュっと抱きしめた。
少しずつ、すべてがうまく回り始めているような気がする。
ここから、また。
また、再始動だ。
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