意識し始めたのは、30kmを過ぎた頃だった。
30km地点で、オールスポーツばりのゴージャスカメラで、応援&撮影をしてくださっていた、キリストもどきのDEGさん。
その横に、湘南在住のサブ3ヨガインストラクター、おーさん。
「あ!そうだ!おーさん、先週のつくば、ナイスラン!!」
※お2人を見つけた瞬間 by DEGさん撮影
15km地点くらいで、おーさんが応援して下さっているのを発見したが、お名前を呼んだだけで、つくばのランのことをお伝えできず悶々としながら走っていた。
折り返しで、おーさんを発見したら、必ずつくばの走りのことをお伝えしなければ。
そして、その想いが30km地点で叶った。
オールスポーツキリストDEGさんと、ヨガインストラクターおーさんのコンビを発見。
大きな声で、お伝えできた。
元気になった。
俺の予定では、30km地点を2時間25分程度で通過する予定だった。
だが、実際は、予想を上回る「2時間23分13秒」。
「もしかしたら、俺、ベストを更新できるかもしれない」
*****
湘南国際マラソン2019の朝。
3時半に起きて、ヨガを30分ほど。
自分を鼓舞し、体の調子を確かめる。
少しだけ右膝が痛む。
家を出発して、最寄り駅まで歩く。
右膝が痛む。
会場に到着し、着替える。
痛む右膝を揉む。
右膝痛が出て、よこすかシーサイドマラソンを走り、更に痛みが悪化し、それでもなお、俺は湘南国際マラソンを走ろうと思っていた。
ひたすら治ることを信じて。
みなさんから頂くコメントの大半は、
「DNSした方が良い」
というものだった。
そんなコメントに、自分も心が折れそうになっていた。
でも、自分だけは、必死に信じていた。
走るための気持ちの準備をしてきた。
ものすごいストレスを感じながら。
「とっとと湘南終わってくれっ!!!」
って。
そんな中、右膝以外は、体調も心も、万全の状態に持ってきた。
そのつもりだったが、スタート前の右膝の痛みに、不安が大きくなっていた。
一緒に行動していた、親じ会のみなさんにも、弱音を吐き始めていた。
「ゴールできないかもしれないんで、スマホとPASMO持参していきますね」
なんて、笑いながら話していた。
*****
Aブロックでの整列。
今の俺の状態からしたら、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
俺よりもAブロックに並ぶべき人は他にいたよね、みたいに思って。
スタート前。
弱い自分を振り払うように、目を閉じて、気合いを入れる。
「絶対にできる」
「俺は強い」
「絶対に走り切るんだ」
さぁ、スタートだ。
「最初の10kmは、絶対にペースを上げ過ぎてはいけない」
後半にとっておくために。
「自分の呼吸と自分の足音だけに集中する」
なるべく疲れないようにするために。
走り始めてしばらくは、右膝の痛みをだましだまし走っていた。
「あー、ダメかもしれん。」
どこでリタイアすれば、ゴール地点に戻りやすいのかな。
って思っていた。
だが、徐々に走りに集中し始めると、ふとしたときに、感じた。
「あれ?俺、右膝、痛くないぞ」
俺に、マラソンの神様が降臨してくれた。
以降、ひたすら自分の走りに集中した。
18.5km地点の江ノ島付近でのスライド区間でも、集中力を切らさないようにするために、仲間のランナーのことは気にしないようにしようと思っていた。
でも、気になっちゃう。
超絶ランナーのうっちーさん。
すげー笑顔で、めっちゃ飛ばしていた。
青のはてブロTシャツ発見。
「えーっと、誰?」
「大吉ですっ!」
えらい爽やかなイケメンだった。
黒の激沈Tシャツのどでかい体のKatsuさん。
ちょっとキツそうに見えたけど、笑顔だったので安心した。
灰色はてブロTシャツ、風邪をおして参戦のアラカンサブ3.5ランナーのまっくさん。
ここまで良いペースで走れていそうだ。完走して欲しい!
みなさんとスライドして、元気をいただき、再度、自分の走りに集中する。
少しでも体がきついと感じたら、楽に走ることを意識して。
走れることの気持ちよさ。
走れることの楽しさ。
走ること、それ自体。
湘南の風を感じ、遠くに悠然と佇む富士山を見ながら、体中で幸せを感じながら、走った。
30km地点でのDEGさんとおーさんの応援。
タイムを確認して、ベスト更新を意識し始める。
いや。
あまり調子に乗るな。
俺は右膝痛の不安があるし、十分な練習をつめていないんだ。
調子に乗って、意識しすぎるな。
まだ早い。
とにかく自分の走りに集中して、余計なことを考えるな。
そう再度、自分を自分の走り1点に集中するように制御した。
無心で、走ることを楽しんだ。
35km付近の西湘バイパスに入る坂でペースが落ちる。
少しずつ、徐々に、スピードが出せなくなってきた。
距離の表示と、ガーミンの計測の誤差が大きくなり、自分がベストを更新できるのか、全く分からない。
「ベスト更新するんだ!」
その想いが強くなり、自分の走りに集中できなくなってきた。
どんどんキツくなる。
なぜか、右膝が痛み始める。
39.5km地点の最後の折り返しの後の給水。
アザゼルさんがいるはず。
そう思って、探したが見つからず。
いかん。
疲れた。
ヤバい。
どんどん落ちるペース。
周りに歩いているランナーが増える。
「俺も歩いちゃおうかな。」
そんな弱い自分が心にあらわれ始める。
でも、
「俺もベスト更新してやるぞ」
気持ちを強く持つ。
最後の坂で、わたなべさんから、応援をいただく。
残り100m地点で、先にゴールしていた大吉さんに鼓舞される。
「絶対にベスト更新してやる!!」
最後、気合いのダッシュ。
3時間23分44秒
昨年の湘南国際マラソンで、3時間24分07秒。
以降、
板橋シティマラソン2019
3時間54分58秒
水戸黄門漫遊マラソン2019
3時間29分09秒
横浜マラソン2019
3時間27分15秒
故障しながらも、辛く、長いトンネルを抜けられた。
1年かけて、23秒、ベストを更新できた。
自分がここまで走り切れると全く思っていなかった。
ゴールして、時計を確認しても、しばらく信じられなかった。
少しだけ右膝は痛かった。
ベスト更新できて、嬉しかったけど、それ以上に感じたことは、
「全力さん、右膝の故障、ネタだったんでしょ?笑」
とpetaさんとかちみのすけさんにツッコまれるんじゃないか、という恐怖だった。
そんなことも含めて、最高に楽しく走れた、湘南国際マラソン2019。
ありがとうございました!!
最後に、
湘南国際マラソン2019のペース詳細は、こちら。
ほぼフラットなペースで走り切れた。
未だに信じられない自分がいる。
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