3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

トップアスリートの身長と体重とBMI。身長からフルマラソン適正体重を計算する。

高校時代、俺は体重が59kg程度だった。

身長は、177.8cm、BMIは、18.66。


めっちゃご飯食べても、60kgには届かなかった。


高校三年生の時、東京都大会の選手名簿に体重の記入欄があり、

「ピッチャーなのに50kg台だと、相手チームになめられるぞ。」

とチームメートにそそのかされ、だいぶサイズ感が違うけど、、、と思いながらも、

「70kg」と記入。

実に「10kg以上」も体重のサバを読んだ経験があるほど痩せていた。


その当時、体育の授業の中で1500m走を行い、「5分03秒」でクラスで一番だった。

以降、1500mのタイムをしっかり測定したことはないが、おそらく今はそんなタイムでは走れない。


今は、体重は64kgから65kg程度だ。

BMIは、20.24から20.56程度。

バリバリ運動をしていた高校時代から、5kg程度増えている。


「体重1kgで、フルマラソン3分。」

などと言われることがあるが、ランニングに適した俺の適正体重は、いったいどのくらいなのだろう。

見つけた論文の概要

そんな疑問に答えてくれる論文が見つかった。

"BMI, a Performance Parameter for Speed Improvement"


こちらの論文は、短距離走からフルマラソンまで、年間トップ100の記録保持者の身長・体重・BMIを調査した論文だ。

1996年から2011年までの

100m、200m、400m、800m、1500m、3000m、10000m、フルマラソンの全8種の競技、

全12800個(16年間 × トップ100 × 8種類の競技)の結果と、3852人の異なる男性アスリートのデータをまとめてある。


この論文のユニークな点は、「デシル(decile)分析」という手法を取っている点。

デシル分析とは、母集団を10分割して分析する手法だ。


各種目16年間で1600個の記録を、タイムの速いグループから遅いグループまで、10個の集団に分割し、それぞれ平均と標準偏差を算出している。

アスリートの身長と体重

100m、200m、400m、800m、1500m、3000m、10000m、フルマラソンの8種類の競技のトップアスリートを分析した結果、

スピード(距離適性)と体格については、体重との相関係数「0.71」、BMIとの相関係数「0.71」、身長との相関係数「0.39」とのことだった。


即ち、

短距離走が速い人 ⇔ フルマラソンが速い人

は、

体重が重い ⇔ 体重が軽い

BMIが大きい ⇔ BMIが小さい

という傾向が非常に高いということだ。


一方、

短距離走が速い人 ⇔ フルマラソンが速い人

身長が高い ⇔ 身長が低い

は、それほど関係がないということだ。


こちらが、各競技のトップ100の選手の体重(左グラフ)と身長(右グラフ)。

細かくて見にくいので、拡大してみて頂きたい。
f:id:Alloutrun:20180926181936j:plain
※上記論文のFigure 1参照


「○」が、各種目の平均。

デシル分析なので、「○」は各競技で10個ある。

200m走だけは「●」で表示されている。


「・」で表示されているのは、各競技の体重・身長の標準偏差だ。

多くの選手は、グラフの上の「・」と下の「・」の間に含まれていると考えればよい。


このグラフを見ると、8種類の競技の比較では、

400m走が速い選手は、ランナー群において相対的には「体重が重く、身長が高い。」

フルマラソンが速い選手は、ランナー群において相対的には「体重が軽く、身長が低い。」

ということが分かる。



更にこのグラフで注目すべきは、各種目の体重と身長の傾向が分かる点だ。

100m走と400m走のアスリートは、タイムが速い人の方が、「体重が重く、身長も高い傾向がある。」

それぞれの種目で見ると、「〇」の並びが、スピードが速い方が、体重が重い、「右肩上がりの並び」になっている。


一方、フルマラソンから800m走のアスリートは、タイムが速い人の方が、「体重が軽く、身長が低い傾向がある。」

「〇」の並びが、スピードが速い方が、体重が軽い、「右肩下がりの並び」になっている。


分かりやすさのため、フルマラソンと400m走者の体重のグラフを拡大して並べてみた。
f:id:Alloutrun:20180926201818j:plain


確かに、フルマラソンが速い人は、痩せているし、そんなに背が高くない気がする。


サトさんは、めちゃ速いけど、帽子に氷を忍ばし身長を伸ばす裏ワザを持ってもいるし、もともと背も高いが。。。


アスリートのBMI

この論文の著者は、距離適性を測るには、BMIが最も良いとしている。

各競技のトップ100の選手のBMIは、こちらだ。
f:id:Alloutrun:20180926190744j:plain
※上記論文のFigure 3参照


論文によると、フルマラソンのトップアスリートのBMIの最適値は、「19から20」とのことだ。


「俺、もしかしたら距離適性が違うのかもしれない。」と思っているのであれば、こちらのグラフを参考に、出場する種目を変更してみるのも一つの手かもしれない。

または、「フルマラソン」をターゲットにしているのであれば、BMIが「19から20」になるように、トレーニングを積みながら調整するのが良いだろう。


あくまで、この論文はトップアスリートのサマリーなので、市民ランナーに適応するのは若干無謀な気もするが、トレーニングを積みながら、ターゲットのBMIにするという場合は、参考になると考えられる。

身長からフルマラソンの適性体重を知る

フルマラソンに最適なBMIを求めるツールを作ってみた。

身長を入力していただき、「Calcutateボタン」を押下すると、BMI19.5の場合の体重を計算してくれるので、是非、計算して頂きたい。


身長は、「cm」単位で入力してください。
例:170.5cm

cm 

BMI19.5の目標体重
kg



ちなみに、身長177.8cmの俺のフルマラソン適正体重は、「61.65kg」。

今の体重、約65kgからは、3.4kgほど絞らなければならない。

先は長そうだ。。。

まとめ

フルマラソンのトップアスリートのBMIは、「19から20」程度とのこと。

みなさんのフルマラソン適正体重は、今の体重と比較して重かっただろうか、それとも軽かっただろうか。


適正体重との乖離が大きいのであれば、おめでとう。

それは、これから十分トレーニングを積めば、タイムが縮まる可能性が大いにあるということだ。


逆に、現在、既に適正体重に近い場合は、体重以外の他の課題を解決する必要があるということで、より高度な知識やトレーニングが必要になると考えられる。


今回の論文で、フルマラソンのトップアスリートよりも、10000mのトップアスリートの方が体重が軽く、BMIも微妙に小さいことがグラフから読み取れる。

10000m程度であれば、体内のグリコーゲンをエネルギーとして完走できるが、フルマラソンとなるとグリコーゲンだけでは足りず脂肪をエネルギーとする必要が比較的多く、その分、体重が重い人の方が適正が高いと考えられる。

フルマラソンは、非常に過酷な競技だ。


その過酷な競技で、目標を達成するために、今回の論文が皆さんのお役に少しでも立てれば幸いだ、と思う。


いつもありがとうございます!
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