中学3年生の桜子は、6月5日の土曜日に、中学バドミントン、最後の大会を迎えた。
大会から帰ってきたとき、家には俺しかいなくって。
桜子が帰ってきて、ちょこ(チワワ)が吠え始めて。
「桜子、どうだった?」
と、間髪入れずに問いかけた。
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桜子は、中学の3年間、ダブルスの練習してきたのだけど。
5月の部内戦で負けてしまって、ダブルスで試合に出られないことが決まって。
試合に出られない4名で、試合をして、その中で勝てて、何とか、シングルスとして試合に出られることになっていた。
バドミントンをやったことがある方なら分かるのだろうけど、ダブルスとシングルスでは、要求されるスキルがだいぶ違う。
シングルスでの出場が決まってから数週間。
リー・チョンウェイやタゴケンや奥村選手やら、シングルスプレーヤーの動画を観たり。
バドミントンサークルで諸先輩方に色々教えていただいたり、平日、週末に近所の体育館に練習しに行ったり。
バドミントンマガジンを読んだり。
そんな努力をしていた桜子。
平日に、仕事を中抜けして、近所の体育館に桜子と2人で練習しに行ったとき。
「桜子、高校行ったら、部活どうするの?」
なんて聞いてみた。
したらば、
「高校行ったらバドミントンはやらないよ。」
「あの先生の練習、きつすぎるから。」
と。
そうか。
自分は、中学でバレーボール部。
高校で野球部。
途中で部活を変えると、高校でつらいこともあることを知っている。
中学でやっていたみんなとの差が、つらい。
でも、まぁ桜子の選択を優先しよう。
「そうか。じゃぁパパがバドミントンをやる理由が一つ減っちゃうね。」
寂しいなぁ。
なんて思っていた。
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大会が終わって帰ってきた桜子に、
「桜子、どうだった?」
そう聞くと、
「負けちゃった。」
と。
「そうか。それは残念だったな。」
「相手は、どんな感じだったの?」
「全然うまくない人に負けちゃった。」
「私のミスが多くて、負けちゃったの。」
「だから、すごく悔しい。」
と。
「すごく悔しいから、私、高校でもバドミントン続ける。」
って。
「じゃぁ、パパがバドミントンを続ける理由は、減らなくて済みそうだね。」
また、桜子と一緒にバドミントンをできそうだ。
嬉しいな。
「桜子、今日は、何食べたい?」
「焼肉!」
で、2人で、たらふく焼肉を食べてきましたとさ。
さてと。
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