見抜く力。
仕事を進めるうえでも、普段の生活の中でも、何かを「見抜く」ことは、非常に重要なスキルの一つだろう。
私たちは「見抜く力」を持っているだろうか。
1つ、問題を解いてみて欲しい。
問題:次の2つの単語の共通点を挙げてください
「工場見学」
「イエナカ」
どちらも意味は分かる単語だと思う。
どうだろうか。
お分かりになっただろうか。
しばらく考えてみたけど、
答えが分からないという方に、もう1問、同様の問題。
問題:次の2つの単語の共通点を挙げてください
「一期一会」
「スーパー」
この問題の2つの単語も、意味は分かると思う。
この問題。
小学2年生の璃子は、5秒ほどで正解した。
小学5年生の楓子は、2問目を出題したら数秒で正解した。
中学2年生の桜子と奥さんは、2問目もしばらく考えたが、正解できなかった。
答えは、
「上と下の単語に同じ文字が使われている」
という、非常にシンプルなものだ。
「工」
「一」
が同じ。
そんな答えでいいの?
と拍子抜けさせてしまったら、ごめんなさい。
でも、この一連のできごと、結構大事な何かが隠されていると思う。
人間は成長する過程で、言葉を学ぶ。
「工場」とは何か。
「見学」とは何か。
「工場見学」という4つの記号が並べば、意味が分かるようになる。
「イエナカ」というカタカナ4文字が並べば、「家の中」という意味を当てはめる。
単純な記号に意味があることを学び、記号や単語に意味というメタ情報を付与できるようになる。
それが、
その集まりが、
「学ぶ」
ということだったりする。
さらに言うと、人間は、様々な要素からなる複合体を、抽象化しパターン化することで認識するような仕組みが脳にあり、
モノを認識するときの脳の処理を少なくできるという機能を持っている。
だからこそ、手書き文字で、様々な形状だったとしても、
「工場見学」
という意味を認識できるようになる。
小学2年生の璃子は、「工場見学」の意味が分からなかったし、「イエナカ」の意味も分からなかったので、
その線が並ぶ
「見たまんま」
を捉えて、共通点を見つけられた。
それぞれの単語の意味を理解できている桜子や奥さんは、
その見た目に、意味があることを知ってしまうことで、妙なバイアスがかかり、問題を勝手に複雑に捉えてしまったのだ。
「この手のクイズは結構ひねられた問題なはずだ」
みたいな先入観も持ってしまっていたかもしれない。
「学ぶこと」は大事なことだ。
でも、忘れてはいけない、
「子どものときには見えていた世界」
っていうのはあるのかもしれない。
最後に。
実を言うと、
「工場の『工』」
「イエナカの『エ』」
は、微妙に大きさや形状が違う。
「一期一会の『一』」
「スーパーの『ー』」
も本当は、ちょっと違う。
この違いに気付けた人が、もしいたとしたら。
その方には、
「スーパーフォントマイスター」
の称号を与えたいと思います!
さてと。
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