「昨日、パパ、何か叫びながら、カスタネット叩いてたよ。」
「は?パパが?」
「うん。」
三女と次女は、「こんな感じだったよ」と、
カスタネットを叩く俺の様子を再現しながら、笑っていた。
全く記憶にない。
俺が、覚えているのは、、、
そうだ。。。
*****
「あれ?」
少し重い頭。
目覚めたところは、リビングのソファの上だった。
夜中の2時。
そうだ。
俺、今日、久々に沢山ビール飲んでしまったんだ。
俺は、夜ご飯食べたんだっけ?
それすら思い出せないくらいに、酔っぱらっていた。
*****
金曜日。
在宅勤務を終えて、リビングに向かうと、奥さんが次女を習い事に連れて行くところだった。
最近、仕事でのプレッシャーが大きくなってきていて、この週末も資料作成をしなければいけなさそうで、気分が重かった。
奥さんが出かける前に、少し話をした。
「パパ、今日も走るの?」
「うん。走ろうと思っているよ。」
「今、結構雨降っているよ。」
「あ、ほんどだね。」
「でも、500kmだし、今日まで42日間連続で走っているし。」
「42なら、パパの歳と同じだね。あんまり無理しないでね。」
奥さんの
「あんまり無理しないでね。」
の言葉に。
あ、俺、無理してるように見えているんだ。
と、思ったら、なんだか、申し訳なくなって、
ピンと張っていた糸が、プツンと切れてしまった。
玄関に置いてあった、24缶入りのビールのダンボールに手を伸ばして、ぬるい缶ビールを開けてしまった。
久々に、体が疲れていない状態で飲むビールは、気分を高揚させるには十分で、
その後も、何本も何本も、ぬるいビールを飲んでしまった。
そして俺は記憶を失い、何かを叫びながらカスタネットを叩いていたようだ。
ここまで、42日間連続で走り続けていたが、それは終了。
俺の呼吸が止まってしまった。
7月17日時点で、
262.6km
*****
夜の2時にソファの上で目を覚ました俺は、キッチンに向かい、お茶を飲んだ。
何をしていたのか、思い出そうとするが、思い出せない。
スマホをチェックすると、RSS Readerに、
のブログの更新の通知があった。
そのエントリーは、金曜日にアップしたこちらのエントリーに対する返信のようなもので。
www.all-out-running.com
このエントリーに対するキクチヒロシさんのコメントも含めて、読ませていただいて。
笑顔で読んでいる自分がいた。
笑顔の後、
しばらくしたら、
「うっ、うっ。。」
と声が止まらなくなり、
キッチンの床に座り込んで、
思いっきり涙を流した。
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