7月7日の夕刻。
次女の楓子と三女の璃子と一緒に、うちのウッドデッキの前に高々と伸びた竹から、七夕に良さそうな笹の葉がある枝を切り取った。
「お願い事を書く短冊作ろうね!」
と、2人とも嬉しそうだ。
*****
七夕のこの日、楓子は学校を休んだ。
「頭が痛い」
と。
それ以上、あまり何も言ってくれない。
以前だったら、
「頭が痛いくらいなんだ。そんなことで学校休んでいいのか?」
なんてことを、強い語気で楓子にぶつけてしまっていたかもしれない。
でも、3月に楓子が小脳炎を患って以降、どうすれば良いのか、分からない。
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「頭痛」なんて、良くあること。
心配する必要ない。
なんとなく学校に行きたくなくて、そんなのとを言っているんじゃないか。
もしかして、小脳炎の初期症状なのかも。
小脳炎の後遺症があるのかも。
「再発」して、またあんな苦しい思いをすることになるのだろうか。
様々な想いが頭の中を巡り、どうすれば良いのか、分からなくなる。
「大丈夫か?」
口から出た精いっぱいの一言が、これだった。
*****
七夕の夕方。
璃子が、短冊に願い事を書いていた。
「かこが、もう、入いんしませんように」
それなら、
「元気に過ごせますように」
とかの方が良いんじゃないか?
そうも思ったが、璃子のストレートな願い事に、可愛さを感じて、どうしようもなく愛しくなった。
この日の17kmのジョグの間、ずっと楓子のことを考えていた。
じっとりと纏わりつくような湿った空気の中、永遠に17km目がやってこないような、いつもよりずっとキツイ17kmだった。
*****
そして、7月8日。
楓子は、
「頭が痛い」
と、また学校を休んだ。
「大丈夫か?」
そう、声を掛ける。
本当に大丈夫なのだろうか。
今日、こんな気持ちで、俺は走れるのだろうか。
「家族みんなが、元気に走り続けられますように。」
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