桜子がバドミントンの公式戦に出場できるかどうを決める、部内戦。
1試合目は、無事勝利をおさめた。
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実は、公式戦に出場するためには、もう1試合勝利する必要があった。
その1試合は、先週の水曜日に行われていたのだ。
水曜日。
桜子が学校から帰ってきて、それに気づいた俺は、書斎からダッシュでリビングに向かった。
「桜子、どうだった?」
「あぁ、負けたよ。」
え!?
あまりにもあっさり答えを知ってしまって、言葉が出てこなかった。
桜子は、次の公式戦の試合には、出られないことが決定したようだ。
すごく悔しかった。
ものすごく。
自分が走れなくなったことなんかよりも、ずっともっと悔しくて。
このことを、ブログに書く気になれなかった。
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桜子の部活は、
月、水、金、土。
部活がない、
火、木
と
土曜の午後、日曜日の午後
は、なるべく一緒に体育館で練習している。
火、木は、桜子と体育館に行ってから、また仕事に戻ったりしている。
桜子と俺との練習は、学校の部活以上に部活だ。
だから、当然、俺もどんどん上達する。
桜子もしかり。
で、今週。
先週の水曜日に負けてしまったダブルスのペアと、再度練習試合をしたらしい。
そして、2回やって、2回とも勝ったと。
「桜子、勝ったんだよ!パパと練習していたネット際の、『ヘアピン』と『ロブショット』がすごくうまく決まったんだ。」
と嬉しそうに、語ってくれた。
その後しばらくして、三女の璃子が、俺にこう話してくれた。
「桜子、しあいで勝ったって!パパとれんしゅうしていたおかげだって言っていたよ。」
そうか。
寝る前に、ベッドに入ると奥さんが、俺にこう話してくれた。
「桜子から聞いた?試合勝ったのは、パパとの練習のおかげだって言っていたよ。」
そうか。
一度は負けてしまったけど、その後、桜子は2回勝てた。
公式戦に出場できないことは、すごく残念だけど。
これまで「絶対に勝てない」と思っていた相手に勝てるようになった、桜子の前途は明るい。
これからも一緒に練習、がんばろうね。
土曜日の午前中。
家族みんなで、バドミントンのYouTubeをテレビで見ていた。
若き日の「TAGOKEN」の動画や、
www.youtube.com
奥原希美選手の2017年の世界選手権の決勝の動画や、
www.youtube.com
どっちの動画でも、涙を流してしまった。
走れなくなった俺に、新たな潤いを与えてくれた、バドミントン。
本当にありがとう。
少しずつ、前へ。
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