先日、母がこんな絵本を送ってきた。
母は、長女の桜子に特に読んでほしいと思ったようだ。
長女が話をした。
「おばあちゃんからLINEが来てね、この絵本を読んで泣いちゃったんだって。」
へぇ。
この絵本は、弟が生まれて、姉になった「なっちゃん」が主人公。
お母さんがまだ生まれたばかりの弟のお世話で、バタバタしていて、色々と1人でやらなくてはいけなくなってしまった、なっちゃん。
「お姉さんになったから」と頑張る一方、我慢することもあり寂しい想いをしている。
そんな時の一幕を描いた、母と娘の心温まる物語だ。
読んでみたところ、確かに良い絵本なんだけど、泣くほどではなかったかな。
そのあと、母にどんな想いで、涙を流したのか聞いてみた。
すると、こんなエピソードを教えてくれた。
俺が3歳5か月のときに弟が生まれて、
母が弟のことでいっぱいいっぱいだったときに、俺が寂しそうにしているのを見て、母が、
「抱っこしてあげるからおいで」
と抱っこしようとしたら、
「僕はお兄ちゃんだから、大丈夫だよ。」
と俺は言ったらしい。
このシーンを、今でも思い出すことがあると言う。
母は俺に対して、長男として、色々我慢をさせてしまったことが多かったと感じているようで、
「あの時、断られても強く抱っこしてあげれば良かった」
と、そんな想いで、涙が流れたと。
いやね、俺、全く覚えてないっす。
父は、何かあると、
「おまえは長男なんだから、我慢しないとだめだ!」
と、兄と弟を明確に分けて育てていたけれど、
母は、兄だろうが弟だろうが、なるべく同じように接していたと感じている。
だから、母には、次会ったときに、ちゃんと言わなければ。
「そんな我慢は、したことないから、大丈夫だよ。」
と。
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桜子は、絵本を読み終わり、母からきたLINEを読んで、こう言った。
「ママとパパには、桜子のときにこんな感じの想いはなかったの?」
俺も奥さんも、ちょっと考えて、
「ん~、ないかな。」
桜子は、続ける。
「えーー!じゃぁなんか素敵なエピソードないの?」
俺も奥さんも、ちょっと考えて、
「ん~、思いつかないな。」
逆に聞いてみた。
「桜子、楓子、璃子は、『自分ばっかり我慢している』って思うことある?」
3人、口をそろえて、こう言った。
「えーっと、ないよ!」
どうやら、全力家は、平和だ。
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親であれば、ほとんどみんな、自分の子どものことが愛しくて、愛情を注いで育てていると思っているんじゃないだろうか。
いや、分からないけど。
少なくとも、自分は、奥さんと一緒に2人で、可愛くてしかたない3人の娘を、全力の愛情を注いで育てているつもりだ。
3人とも同じように。
でも、「娘たちが、どう感じているのか」が重要で。
今の自分たちの育て方に、娘たちが不満を感じて、その想いが募ってしまうのは、良くないんだろう。
子どもは生まれてくる家庭を選ぶことはできない。
3人の娘たちが、大人になってから、
「ママとパパの子どもで良かった」
と思ってもらえるように。
奥さんと自分が42歳。
娘たちは、14歳、11歳、8歳。
今からでも遅くない。
これからも、大好きな家族を一番大事に、精一杯、過ごしていきたいと思った。
「ちょっとだけ」
ね。
そんなきっかけをくれた母に感謝。
さてと、そろそろ走るかな。
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