「走るの好きか?」
三浦しをん著の「風が強く吹いている」の中で、ハイジが走(カケル)に問いかける。
ハイジは、こんな問いかけもする。
「そう。おれは知りたいんだよ。カケル。『走る』ってどういうことなのか。」
「風が強く吹いている」
は、箱根駅伝を舞台とした物語。
「走るの好きか?」
と問いかけられたとき、
「うーん。そうっすね。まぁ好きっすね。」
とか、ハイジに向かって答えられない。
*****
俺が走り始めたのは、34歳の頃だ。
会社の同僚がトレイルランの大会に出場していて、誘われたことがきっかけだった。
仕事が終了した後、会社の周りを同僚と一緒に走り、松屋でご飯を食べて。
トレランの大会に一緒に行って、帰りに焼き肉食べたり。
日々、「走ること」を通じて会話ができることを、楽しいと思えていたのだと思う。
その後、同僚の異動が重なり、俺の周りに走る人がいなくなると、俺も走らなくなった。
「走ること」自体を好きだったわけじゃなかったのかもしれない。
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数年が経って。
娘の通う小学校の「親じ会」というお父さんの会に入会させて頂いた。
地域の様々なイベントにボランティアとして活動する団体だ。
その親じ会のメンバーから、
「ウッディー、今度、湘南国際マラソン走らないか?」
と。
1か月半くらいの練習をして、湘南国際マラソンを4時間4分で完走し、その後、あまり何も考えずに、このブログを始めることになった。
ハンドルネームは、
「横浜の全力中年」
ブログを書いていて、色々な方と繋がって、リアルにお会いすることが、全く想像できていなかったので、
正直、ハンドルネームは間違えたかな、って思っている。
いまだに、
「全力さん」
「全中さん」
「全裸さん」
とかって呼ばれることには、違和感を覚える。
特に、「全裸さん」の違和感は半端ない。
このブログを始めてから、約2年半が経ち、このブログのおかげて、「走る」ことを通して、多くの方とお会いできた。
一緒に大会に参加して、打ち上げで飲ませて頂いたり。
一緒に練習して、飲んだり。
ただ飲むだけの飲み会に誘って頂いたり。
本当にありがたい限りです。
「40歳を過ぎたおっさんが、こんなに急に楽しくなっていいのかな。」
戸惑いながら、この2年半を過ごしてきた。
*****
コロナの騒動で、色々自粛しなくてはいけなくなった、数か月間。
何となく、自分の生活に必要なものと不要なものが整理できた気がする。
人間関係も含めて。
自分のことを必要としてくれている人が、どの人なのか、分かった気がする。
自粛生活の中、過去4週間、ほぼ毎日走っていた。
ちなみに、ほぼ毎週オンライン飲み会をしていた。
気付けば、この4週間、自分のラン人生の中で、最も距離を走っていた。
娘が大病になってしまい、自分が死にそうな経験をしても。
大会もなければ、友人と集まることもできなくて。
それでも走ってはいたんだね。
だから、例えば、今、誰かに、
「走るの好きか?」
と聞かれたとして。
今の自分が、どう答えるか、考えてみた。
「『好き』かどうかは、良く分からないけど、『走る』ことは自分にとって必要なことなのかなって思うようになりました。」
今の自分はそんな感じだ。
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