子どもの頃、夏休みになると、初日に夏休みの宿題の取り組みの計画を立てた。
こんな感じでやろう。
毎日少しずつ。
夏休みの後半にかけて、ビルドアップ気味でいこう。
そんな感じだ。
最初に計画を立てることで、宿題を終えたような気になり、安心しきってしまう。
だが、遊ぶことが優先されて、宿題には手を付けず、夏休みが1/3ほど終わった頃になると、計画は、このように変更される。
今日から少しずつやろう。
ここから俺は真面目に取り組むんだ。
そんな感じだ。
でも、夏休みが残り1週間になり、宿題のことが心に引っ掛かりながらも、遊び続け。
残された宿題の量が、ヤバいということに、やっと気付き、結局こうなる。
毎年だ。
毎年、学習もせず、夏休みの最後の3日間は、ほぼ徹夜で宿題をやることになる。
俺は、そうやって夏休みの宿題という山を乗り越えてきた。
*****
ふと、本棚を見たら、俺の修士論文があった。
巻末にあった、筆者近影を見て、自分の若さに驚きながら、当時を思い出した。
大学時代は、ロボットの研究をしていた。
毎年、新しいロボットを開発し、旋盤やフライス盤で金属を加工し、電気回路をはんだ付けして、C言語でプログラムを書く。
このタスクは、これまでの夏休みの宿題と同じ戦法では、クリアができないことは分かっていた。
だから、俺の修士2年生の時は、こんな感じだった。
4月に研究テーマを決め、
5月から文献調査を始め、
6月頃にモックアップを作成し、
以降、金属加工を行い、日々修正する。
11月頃にロボットが組みあがると、プログラムのデバッグを繰り返す。
大晦日も、金属を削っていた。
1月3日から研究室に行き、プログラムのデバッグをしていた。
1月の中旬からは、3週間ずっと、学校に泊っていた。
流石にシャワーを浴びたくて、当時付き合っていた彼女(今の奥さん)に学校近くまで来てもらい、ラブホテルにシャワーを浴びに行った。
シャワーを浴びて、学校に戻った。
本当に申し訳ないことをしたと今でも反省している。
大学の研究室が、キツかったので、就職した後、
「仕事って、めちゃくちゃ楽だな。」
と思ったものだ。
*****
マラソンの大会で、好成績をおさめるには、「夏休みの宿題戦法」も「修士論文の戦法」も通用しない。
レースの1週間前から、いきなり毎日30km走るような感じでは、故障するだろう。
1年かけて徐々に脚を作っていったとしても、最後の追い込みで負荷を多くしたら、レース当日に、パフォーマンスを発揮できないだろう。
マラソンで好成績をおさめるには、長年地道に、走り続けて、積み上げて、レース直前は、徐々に疲労を抜く。
こんな感じの戦法を取るのがベストなんだろう。
これまでの俺の過去を振り返ると、夏休みの宿題にしても、受験勉強にしても、修士論文にしても、締切のある仕事にしても、
ほぼすべて、
「直前にめちゃ追い込む戦法」
だった。
ただ、マラソンは、そうはいかない。
そうはいかないことを、ここ数年かけて学んだ。
数年かけて、やっと分かったよ。
だから、これから、ちゃんとやってみようと思う。
地道に。
これまでの人生42年間、なかなかできなかったことだ。
幸い、しばらく大きなレースはなさそうだ。
派手さがなくて、つまんないかもしれないが、地道にいこう。
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