3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

3人娘の親父がランニングを中心に、日々の出来事をそこはかとなく綴ります。

正木先生と、変わるきっかけ。

学校では内向的で、恥ずかしがり屋で、発言はできなくて、運動は全般的にそこそこ。

家では、元気で、弟に対しては特に偉そう。

ご飯は少食で、いつも最後までご飯を食べれずにいた。




子どもの頃の俺のことだ。




この感じが、そっくりこのまんま次女の楓子に受け継がれている。


ちなみに、顔も楓子と俺はそっくりだ。



*****



小学校の低学年の頃、自分は内向的で、目立つタイプの人ではなかった。

女子たちの間で「きゃーきゃー」騒がれていた、駆けっこが速かったり、いつも手を挙げて発言している聡明な子とは、まったく異質の存在。


「全力君は、優しいね。」


そんなことをよく言われた。



これは、喜んで良かったのだろうか。


カッコいい訳でもなく、

頭が良い訳でもなく、

活発でもなく、

運動ができる訳でもない。


そんな人を表現する言葉のように感じてしまっていて、そんなに嬉しくなかった記憶がある。



*****



自分の通った小学校は、クラス替えが3年生から4年生になるタイミングの1回だけだった。

1年生から3年生まで、ずっと同じクラス。

4年生から6年生まで、ずっと同じクラス。



俺は、3年生の春休みに行われた校外学習で、山登りをしたときに、ウルシにかぶれてしまった。

そして、そこに重ねて、水疱瘡になってしまった。


それが原因で、4年生になって、最初から1週間以上休んでしまった。



4年生の初登校のときの家を出発するときの不安感と言ったら、本当に凄まじかった。

今でも思い出すと、あたりが真っ暗になる感覚を覚える。



学校に到着して、新しい教室を探し、たどり着く。

教室に入る。



すると、教卓の前に先生が座っていた。



正木先生だ。



正木先生は、俺が教室に入ると、すぐに近寄ってきて。


「お前がコウキか!」

と、えらい強い力で、頭をぐしゃぐしゃにされて。


ちょっと笑った。



「おっ!お前は、笑った顔がすごくいいぞ。笑顔だぞ、笑顔。」

と、かなり強い力で、ほっぺたをつねられた。



正木先生、俺の名前をちゃんと覚えてくれていたんだ。

それが、すごく嬉しくって。


そうか。

俺は、笑顔の方がいいんだ。


と、思えて。



以降、授業でも手を挙げて発言できるようになったし、運動もできるようになったし、いつでも笑顔でいられるようになった。



「正木先生の期待に応えたい」

という想いが強かった。



自分が変われるきっかけなんて、そうそう無い。


でも、正木先生との出会いは、俺を思いっきり変えてくれた。


正木先生がいなければ、今の俺はなくて。

本当に、感謝の念しかない。



低学年の頃の自分から脱皮させてくれた、正木先生。


本当にありがとうございます。



*****



楓子を見ていると、自分の低学年の頃と重なってしまう。


何か、楓子に変われるきっかけを与えてあげたい。


でも、親として接する中では、なかなか劇的な変化を与えられるようなことはなくて。


少しずつ少しずつ、毎日毎日、積み重ねていくしかないのかなと感じている。



楓子に限らず、3人の娘たちに対して、日々想っている。


何か、彼女たちの人生のプラスになる人との出会いを作りたい。


何か、彼女たちの人生のプラスになる経験を作りたい。



それはたぶん、今の自分の周りのことのどんなことよりも一番大事なんだ。



だって、娘たちが楽しく過ごせていれば、自分は最高の幸せを感じられるから。
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