学校では内向的で、恥ずかしがり屋で、発言はできなくて、運動は全般的にそこそこ。
家では、元気で、弟に対しては特に偉そう。
ご飯は少食で、いつも最後までご飯を食べれずにいた。
子どもの頃の俺のことだ。
この感じが、そっくりこのまんま次女の楓子に受け継がれている。
ちなみに、顔も楓子と俺はそっくりだ。
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小学校の低学年の頃、自分は内向的で、目立つタイプの人ではなかった。
女子たちの間で「きゃーきゃー」騒がれていた、駆けっこが速かったり、いつも手を挙げて発言している聡明な子とは、まったく異質の存在。
「全力君は、優しいね。」
そんなことをよく言われた。
これは、喜んで良かったのだろうか。
カッコいい訳でもなく、
頭が良い訳でもなく、
活発でもなく、
運動ができる訳でもない。
そんな人を表現する言葉のように感じてしまっていて、そんなに嬉しくなかった記憶がある。
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自分の通った小学校は、クラス替えが3年生から4年生になるタイミングの1回だけだった。
1年生から3年生まで、ずっと同じクラス。
4年生から6年生まで、ずっと同じクラス。
俺は、3年生の春休みに行われた校外学習で、山登りをしたときに、ウルシにかぶれてしまった。
そして、そこに重ねて、水疱瘡になってしまった。
それが原因で、4年生になって、最初から1週間以上休んでしまった。
4年生の初登校のときの家を出発するときの不安感と言ったら、本当に凄まじかった。
今でも思い出すと、あたりが真っ暗になる感覚を覚える。
学校に到着して、新しい教室を探し、たどり着く。
教室に入る。
すると、教卓の前に先生が座っていた。
正木先生だ。
正木先生は、俺が教室に入ると、すぐに近寄ってきて。
「お前がコウキか!」
と、えらい強い力で、頭をぐしゃぐしゃにされて。
ちょっと笑った。
「おっ!お前は、笑った顔がすごくいいぞ。笑顔だぞ、笑顔。」
と、かなり強い力で、ほっぺたをつねられた。
正木先生、俺の名前をちゃんと覚えてくれていたんだ。
それが、すごく嬉しくって。
そうか。
俺は、笑顔の方がいいんだ。
と、思えて。
以降、授業でも手を挙げて発言できるようになったし、運動もできるようになったし、いつでも笑顔でいられるようになった。
「正木先生の期待に応えたい」
という想いが強かった。
自分が変われるきっかけなんて、そうそう無い。
でも、正木先生との出会いは、俺を思いっきり変えてくれた。
正木先生がいなければ、今の俺はなくて。
本当に、感謝の念しかない。
低学年の頃の自分から脱皮させてくれた、正木先生。
本当にありがとうございます。
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楓子を見ていると、自分の低学年の頃と重なってしまう。
何か、楓子に変われるきっかけを与えてあげたい。
でも、親として接する中では、なかなか劇的な変化を与えられるようなことはなくて。
少しずつ少しずつ、毎日毎日、積み重ねていくしかないのかなと感じている。
楓子に限らず、3人の娘たちに対して、日々想っている。
何か、彼女たちの人生のプラスになる人との出会いを作りたい。
何か、彼女たちの人生のプラスになる経験を作りたい。
それはたぶん、今の自分の周りのことのどんなことよりも一番大事なんだ。
だって、娘たちが楽しく過ごせていれば、自分は最高の幸せを感じられるから。
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