3人娘の親父が走る。いつだって全力中年。

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ナイキオレゴンプロジェクトのメンバー3人の戦い@シカゴマラソン2018。

2018年10月7日に開催されたシカゴマラソンにて、大迫傑選手が3位に入賞し、設楽悠太選手が東京マラソンで記録した2時間6分11秒を、21秒上回る2時間5分50秒で走り切った。

日本記録の更新だ。

16年間、更新できなかった日本記録が、2018年に2回も更新されたことになる。

これからの日本マラソン界、本当に楽しみだ。


でも、今日は、シカゴマラソン2018に出場した、ナイキオレゴンプロジェクトの現役メンバー2名とOBの1名の3名の選手にフォーカスしたい。


シカゴマラソン2018に参加していたナイキオレゴンプロジェクトメンバー

オレゴンプロジェクトは、ナイキが「打倒、アフリカ勢」を掲げ2001年に設立した超エリートランナーが集う世界屈指のランニングチーム。
Nike Oregon Project - Oregon Project Running | Oregon Project


大迫傑選手は、このナイキオレゴンプロジェクト初のアジア人のメンバーだ。


ナイキオレゴンプロジェクトの

ヘッドコーチは、アルベルト・サラザール(Alberto Salazar)。

アシスタントコーチは、ピート・ジュリアン(Pete Julian)。



シカゴマラソン2018には、このナイキオレゴンプロジェクトの

現役メンバーであり、エース級の、
「ゲーレン・ラップ(Galen Rupp)」

昨年10月末にオレゴンプロジェクトを去った元メンバーで、トラック界のプリンス、
「モハメド・ファラー(Mo Farah)」

そして、
「大迫 傑」

の3名が参加していた。


この3名が直接対決するのは、今回が初めてだった。

ゲーレン・ラップ(Galen Rupp)

 1986年5月8日(32歳)
 180cm 63kg BMI: 19.44
 コーチは、アルベルト・サラザール。
 生まれも育ちも純粋なアメリカ人。
 高校時代サッカーをやっていたが、サラザールに見初められ、高校時代から一気に開花。
 オレゴン州立大学を卒業後、2009年からナイキオレゴンプロジェクト所属。

モハメド・ファラー(Mo Farah)

 1983年3月23日(35歳)
 175cm 60kg BMI: 19.59
 2011初頭から2017年10月まで在籍。
 在籍時代のコーチは、アルベルト・サラザール。
 現在はイギリスに拠点を置き、Gary Lough(husband and former coach of Paula Radcliffe)がコーチ。

大迫 傑

 191年5月23日(27歳)
 170cm 53kg BMI: 18.34
 2014年日清食品グループに所属しながら、ナイキオレゴンに所属。
 2015年3月から、ナイキオレゴン専属に。
 コーチは、ピート・ジュリアン。


2015年8月の世界陸上の前のキャンプでの写真に、選手3名と各コーチが一緒に写っている。
f:id:Alloutrun:20181011215905j:plain
大迫選手のオフィシャルサイトから拝借


ファラーと大迫選手が打ち解けている感じが写真から伝わってくる。

この頃、ファラーとラップは、練習のパートナーとして、一緒に練習をこなしていたと言われている。


この3名が激突したシカゴマラソン2018の結果は、以下。


1 Mo Farah Great Britain 2:05:11

2 Mosinet Geremew Bayih Ethiopia 2:05:24

3 Suguru Osako Japan 2:05:50

4 Kenneth Kipkemoi Kenya 2:05:57

5 Galen Rupp United States 2:06:21


オレゴンプロジェクトを去った、ファラーがトップ。

最もマラソンの実績があるラップが全体5位で、3名の中では、タイムが一番良くなかった。


オレゴンプロジェクトメンバーのフルマラソン戦績

モハメド・ファラー

・London Marathon 2014
1 Wilson Kipsang Kenia 2:04:29
2 Stanley Kipleting Biwott Kenia 2:04:55
3 Tsegay Kebede Äthiopien 2:06:30

8 Mo Farah Vereinigtes Königreich 2:08:21


・London Marathon 2018
1 Eliud Kipchoge Kenia 2:04:17
2 Tola Shura Kitata Äthiopien 2:04:49
3 Mo Farah Vereinigtes Königreich 2:06:21


・Chicago Marathon 2018
1 Mo Farah Great Britain 2:05:11
2 Mosinet Geremew Bayih Ethiopia 2:05:24
3 Suguru Osako Japan 2:05:50


2014年にトラックを主戦場としていたファラーは、初マラソンで好成績を収める。

その後、2016年にトラック競技からの引退を表明し、マラソンを主戦場とすることを発表。

2017年10月にオレゴンプロジェクトを去り、2018年のロンドンマラソンで3位、その後のシカゴマラソンで優勝を果たした。


ゲーレン・ラップ

・2016 US Olympic Trials Los Angeles, California
1st 2:11:13

・2016 Olympic Games Rio de Janeiro, Brazil
3rd 2:10:05

・2017 Boston Marathon Boston
2nd 2:09:58

・Chicago Marathon 2017
1st 2:09:20

・2018 Boston Marathon
棄権 32km地点

・2018 Prague Marathon
1st 2:06:07

・Chicago Marathon 2018
5th 2:06:21


いきなりリオオリンピックで銅メダルを獲得し、その後も勝負強さを見せ、輝かしい戦績を収めている。

ナイキオレゴンのヘッドコーチのサラザールは、ラップが高校時代から手塩にかけて育ててきている。

もともとトラック競技が主戦場ではあったが、ファラーとの勝負では、ファラー21勝、ラップ1勝と、圧倒的にファラーが強かった。


大迫 傑

・2017 Boston Marathon
1 Geoffrey Kirui Kenya 2:09:37
2 Galen Rupp United States 2:09:58
3 Suguru Osako 2:10:28

・2018 福岡国際
Pacemakerあり
1 MOEN, Sondre Nordstad 2:05:48
2 KIPROTICH, Stephen 2:07:10
3 Suguru Osako 2:07:19

・2018 Chicago Marathon
3 Suguru Osako 2:05:50


2014年からナイキオレゴンプロジェクトに合流し、マラソンへの挑戦を視野に入れる。

2017年の初マラソンでいきなり表彰台に乗り、福岡国際マラソンでも表彰台。

フルマラソン3回目の挑戦で、日本新記録を叩き出した。


そんな3人のシカゴマラソン2018でのドラマ

もともと練習のパートナーだったファラーとラップ。

トラックでは、ファラーに負け続けていたラップ。

でもフルマラソンでの実績では勝っていたラップ。


そんなラップを横目に?ナイキオレゴンプロジェクトを去り、新たなコーチのもと、フルマラソンにチャレンジしたファラー。


日本の実業団では、フルマラソンで好成績を収められないと、英語がしゃべれないのに、アジア人初のナイキオレゴンプロジェクトメンバーとなり、ピート・ジュリアンコーチに全幅の信頼を置く大迫傑選手。


そんな3人が、同じフルマラソンのレースを走ったのだ。


3人ともが、

「ぜっってぇにあいつには負けねぇぞっ!!」

って思っていただろう。

大迫選手とファラーのドラマ

大迫選手は、5km過ぎの最初の給水で、自分のボトルを取り損ねた。

それは、レース後の大迫選手のインタビューの中でも、コメントがあった。


なんとか、誰かからボトルをもらおうとしていた、大迫選手。

そこに、すすっと寄ってきた選手一人。

ファラー!!

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ファラーは、自らの赤いボトルを大迫選手に渡し、大迫選手もそれを飲んでいた。

レース後に、大迫選手は、この件をこのようにコメントしている。

最初の給水は別の選手が間違えて取ってしまって、僕も動揺してほかの選手の机を取ってしまいました。それを見ていたのか、ファラーが僕に給水をくれて、すごくそこで落ち着いた部分はありました。

こちらの日本陸上競技連盟公式サイトから引用。


ファラーも絶対に勝ちたいはず。

大迫選手は、強力なライバルの一人なはず。

でも、元同僚のミスを察知し、しっかり手を差し伸べる。


なんか美しいじゃないですか。


ファラーとラップのドラマ

ファラーは、トップでフィニッシュ。

優勝を大いに喜んでいた。


その、約1分後、元同僚のラップがゴールする。

今回のシカゴマラソン、ラップは、アキレス腱の故障を抱えての出場だったようだ。

ラップに笑顔はない。

手を両足につき、疲れ果てた様子。

そこに歩み寄るファラー。

そして、検討を称えるグータッチ。
www.oregonlive.com


そのときのラップの気持ち、どんな気持ちだったんだろう。

ファラーは、どんな気持ちでラップに歩み寄ったんだろう。


でも、なんか美しいじゃないですか。



走ることに人生を捧げた、世界トップクラスのランニングチームに所属している(た)メンバー3人が織りなした、ノンフィクション。

どうしてもタイムに目が行きがちだと思うが、そのタイム達成までのプロセスや、レース内・レース後のドラマ。

知れば知るほど、本当にマラソンって楽しい。

観戦するのも、自分が走るのも。


「メイク・ドラマ」

そのために、今日も走ってこよう。


いつもありがとうございます!
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