昨日のHOTTハーフマラソン(独りぼっちの俺のタイムトライアル ハーフマラソン)にて、課題は「栄養補給」だと感じた俺。
マラソン、ハーフマラソンなどのレース中、長時間の練習中に必要な補給について、しっかり調べて学んでみることにした。
※レースや練習後の回復のための補給については、別途調査予定。
調査した文献の中で、ベストな論文はこちら。
"Nutrition for endurance sports: Marathon, triathlon, and road cycling"
タイトルを直訳すると
「持久的スポーツにおける栄養補給:マラソン、トライアスロン、ロードサイクリング」
という感じだ。
この論文の中で摂取したほうが良いとされているものは、大きく3種類だ。
・炭水化物(糖質)
・カフェイン
・水分+電解質
これらについて、どの程度補給すれば良いか、まとめてみる。
■炭水化物の摂取
こちらの論文では、運動中の炭水化物の摂取について、非常に丁寧に記載されている。
炭水化物を体内に取り込めるリミットがあるため、多すぎる摂取も無意味とのこと。
より多くの炭水化物を取り込むためには、複数の炭水化物が混合されているものを摂取する必要がある。
例えば、グルコースとフルクトースが混ざっているようなものだ。
運動の継続時間ごとにまとめると以下の通り。
※上記論文のTable. Iから引用
・30分以下
摂取不要
・30-75分
一口分くらい
・60-120分
30g/hまで
・120-180分
60g/hまで
※複数の炭水化物混合が良い
・150分以上
90g/hまで
※複数の炭水化物混合が良い
炭水化物が補給できる、携帯用ジェルをいくつか調べてみた。
・Mag-on マグオン エナジージェル
product - 闘い続けるアスリートの水溶性マグネシウム「Mag-on」
エネルギー 120kcal
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物:マルトデキストリン 30g
食塩相当量 0.14g(アップル・グレープフルーツ・ウメ)
マグネシウム 50g
カフェイン 25mg(レモン・ラフランス)
・shotz エナジージェル
トップページ | Shotz Sports Nutrition Japan
エネルギー 117kcal
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物:マルトデキストリン 29.8g
ナトリウム 36mg
糖質(DE Value20-23) 2.9g
カリウム 18mg
カフェイン 80mg(コーラバニラ、カプチーノ、グリーンプラム)
・Power Gel
PowerBar パワーバー | プロダクト【POWERGEL-パワージェル】
エネルギー 120kcal
たんぱく質 0g
脂質 0g
炭水化物 :デキストリン 30g
ナトリウム 200mg
カフェイン 25mg(グリーンアップル)
有名どころの3つのエナジージェルを調べてみたところ、ジェル1個当たりで摂取できる炭水化物は、30g。
しかも、3種とも単体の炭水化物だ。
論文によると、120分以上の運動には、複数の炭水化物混合がお勧めなので、これらのエナジージェルでは、栄養不足の可能性がある。
単体の炭水化物では、体内への取り込み量にリミットがあるためだ。
ハーフマラソン程度であれば、これらのエナジージェルを1個から2個途中で摂取すれば、問題なさそうだ。
マラソン程度のレースになると、これらのエナジージェルでは足りない可能性がある。
何か良いものはあるのだろうか…
■カフェインの摂取
カフェインの摂取は、持久的運動能力の向上、疲労の遅延、注意力の改善の効果が認められている。
以前は、国際オリンピック委員会(IOC)でも禁止薬物とされていたほど、効果は明白だ。
論文内では、カフェインの摂取のタイミングについて以下のように記載がある。
「カフェインの血中濃度がピークに達するのは、摂取後30分から90分後であり、5時間後には約半分の濃度になる。」
「運動中の後半に摂取するのもまた効果的。」
これらを踏まえて、
・レースの1時間前に3mg/kgを摂取(体重60kgなら、180mg)
・その後は2時間おきに1mg/kgを摂取
または、
・レースの後半に1-2mg/kgを摂取
とのこと。
自動販売機なんかで見かける缶コーヒーに含まれるカフェインの量は、おおよそ100mgから150mg程度だ。
レースの1時間前に缶コーヒーを1本飲むと良いのだろうか。
先ほどの3種のエナジージェルのうち、論文に記載のあるようなカフェイン量が十分なものは、shotzだ。
ハーフマラソンであれば、ゴールの1時間前くらいに1個。
マラソンであれば、スタート後1時間後、3時間後にそれぞれ1個ずつ摂取するような感じだろう。
■水分および電解質の摂取
長時間の運動による発汗による脱水を避けるため、水分補給も必須だ。
体重の2%以上の汗を掻いた状態を「水分補給不足」となる。
発汗量とランニングのペースおよび気温の関係については、こちらのエントリーを参照いただきたい。
www.all-out-running.com
この脱水状態を回避するために水を飲む必要があるのだが、水の飲み過ぎにも注意が必要だ。
汗で失われたNa+などの電解質が足りなくなり、水を飲むことで濃度が下がり、「水中毒」という状態に陥る。
ひどい場合は、頭痛、吐き気、痙攣などの症状が出ることがある。
そのため、Na+などの電解質が含まれるスポーツドリンクを飲むほうが良い。
論文内では、掻いた汗を補うように、10-30mmol/L程度の電解質が含まれる水分の摂取を勧めている。
なんだよ、「mmol/L」って。
[mmol/L]という単位は、[mEq/L]と同等だ。
なんだよ、「mEq/L」って。
普通の人なら当然湧いてくるその疑問について、回答するには面倒なので、割愛。
これについて各種スポーツドリンクに含まれる電解質の量が、こちらの文献に記載があった。
経口補水液だと、濃すぎ。
ポカリスエットやアクエリアス程度の濃度がちょうど良さそうだ。
発汗量は、様々な条件で変化するため、おおよその目安でしか語れないのだが、
ハーフマラソンであれば、1Lから2L程度の汗を掻くと考えられる。
5kmおきの給水でコップ半分(200mL程度)のスポーツドリンクを飲んでおきたい。
■まとめ
論文の中で摂取したほうが良いとされているものは、大きく3種類。
・炭水化物(糖質)
・カフェイン
・水分+電解質
それぞれの補給の目安は、運動の継続時間に依存する。
カフェインは、ブーストするためのものなので、練習中に補給する必要はないだろう。
このエントリーの中で紹介した3つのエナジージェルだと、論文を読んだ限りでは、マラソンやウルトラマラソンのような長時間のレースには、心もとない。
この3つを効率よく摂取できるようなものないのだろうか。
当面は、長時間のレースに参加する予定がないが、継続的に調査したいと思う。
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