「長距離選手に対する、一番の誉め言葉って何だと思う?」
三浦しをん著の「風が強く吹いている」の中で、ハイジが走(カケル)にそんな質問をする場面がある。
カケルは、
「『速い』・・・・じゃないんですか?」
俺も、そう思った。
が、ハイジは、
「おれは、『強い』だと思う。」
と。
正直、「やられたー!」と思った。
確かに、「速い」よりも「強い」方がマラソンで好成績を残せるランナーだと思った。
だいぶ前に、箱根駅伝を題材とした感動的な小説があると聞き、「三浦しをん」著の「風が強く吹いている」を読んだ。
走ることからは程遠い、同じボロボロの学生寮通称「アオタケ」に住んでいる個性豊かな10名が箱根駅伝を目標に練習を重ね、箱根駅伝に出場する笑いあり感動ありの名作だ。
「そんなバカな・・・」と思ってしまうこともあるが、箱根駅伝本番でのそれぞれの登場人物の心象描写は素晴らしく、走ることを趣味としてない方でも涙してしまうだろう。
そんな、「風が強く吹いている」だが、この週末にAmazon Prime ビデオで検索してみたところ、Prime会員は無料で見れるということが分かった。
これは見なければと、週末にしっかりと見てみた。
小説と比較すると、やはり細かい点での描写が欠けていると感じたが、主要な場面は描かれている。
まず、心穏やかなハイジがカケルの態度に怒りをぶつけ取っ組み合いの喧嘩をする場面。
その後の病室でこのエントリーの冒頭であるハイジとカケルのやり取り。
そして、各登場人物の箱根駅伝での心象描写、特に山下りを任されたユキの場面。
ただし、見る側の感情を盛り上げるための、ありきたりの演出がところどころに見られ、興ざめしてしまうこともあった。
小説を読んだ方であれば、物足りなさを感じてしまうかもしれないが、一度は映画を見て頂きたい。
見て頂きたいのは、カケル役の「林遣都」のランニングフォームだ。
※林遣都 オフィシャル・ウェブサイト - Kento Hayashi Official Web Site -
小説内で、ハイジが理想的なフォームと絶賛しているのだが、まさにその理想のフォームで走っている。
本当に綺麗なフォームだ。
前傾で腰高。
着地は程よいミッドフット着地。
足の回転は小気味良く、後ろ足の振り上げの角度が美しい。
腕振りは、力みがなく体幹を中心とし慣性を利用した素敵な振り。
映画、そしてそれを演じる役者なのに、ランナーとして完成していると思えた。
小説を読んだ方であっても、カケル役の林遣都のランは、一見の価値ありだと思う。
「そう。おれは知りたいんだよ。カケル。『走る』ってどういうことなのか。」
ハイジは、カケルに問いかける。
その答えは、小説にも書かれていないし、映画の中でも答えていない。
このハイジの質問は、
「走り方」についての質問なのだろうか?
「走ることの意味や意義」についての質問なのだろうか?
俺も走り続けるよ。
「『走る』ってどういうことなのか。」の答えを求めて。
なんちゃって。
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